2012年2月24日金曜日

ササマクリ山

◇全行程7.0km。
・突符川の乙部町サクラマス種苗センター<位置>に駐車。林道を2.7km歩く。
・取付き尾根<位置>から三角点(点名・大川333.7)、ポコ582ポコ651を経由して山頂<位置>まで4.3km。
SHOさんのページ

◇往復時間7時間。・7時40分発。・11時40分山頂。・14時35分着。<KH法6.8/4+778/300=4.3>
◇天気(鶉:Ma1.5℃、Mi-7.8℃、積雪109cm、風Ma6.1m/s、日照6.7h)
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↓ 尾根取りつきに見た集約的に管理されたスギ林。一見京都の北山杉を思い出させる細くて通直で丁寧に枝打ちされていた。「北山杉」は数寄屋造りに欠かせない特殊材であり手の掛る育て方だ。確かにここは地位良し、地利良しではあるけれど、集約林業に見合うだけの利用は如何に?


↓  点名・大川333.7に上がると日本海側の展望が開けました。分水嶺を界に突符川側は急斜面で、女男川側は緩やかな斜面が広がっていました。スギ植林が盛んに行われた地域であることが一望できて分かりました。防風帯とも保護樹帯とも呼ばれて、植林地を環境から守る林が尾根に沿って設けれれているのもよく展望できました。保護樹帯の中に写真のようなブナ巨木が散見されます。


↓   ササマクリ山に近づくにつれて右側は崖状に落ちていました。岩角地<黒松内期の安山岩質角礫岩>にヒメコマツが生立しています。肌が赤みを帯びているから写真からも確かです。地理分布から見ると、日本海側の北限地帯として「鶉川のゴヨウマツ自生地」が天然記念物に指定されています。峠下無名峰の直下になります。ここを北上してササマクリ山~宮野ヌタップ(雁毛山と標高点・451の間の急斜面)まで点生しているようですが、詳細な分布はまだ知りません。ジモティは何時までも知らないではすむまいと思いながら・・・時は経つ。

↓   緩やかなルート上に胸高直径130cmはあったダケカンバ。まだまだ活力にあふれている。樹齢を推定すると(130×5年)。



↓   突符川側斜面は、垂直に落ちていました。セッピの発達も豪快でした。比べて西側は広大な緩斜面でした。


↓   オープン斜面の奥にササマクリの頂が見えてきました。頂の奥に、来拝川が回りこんでいる。


↓   突符川の源流にそびえる894.6m突符山の山容。



↓   ササマクリ山から見る902.4mの紋内岳



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2012年2月4日土曜日

釜別川無名鋒632.5

 ・往路4時間20分<KH法3.2/4+540/300=2.9> SHOさんのページ
八雲町落部川上流、釜別川流域の逆川無名鋒(632.5m)に登った.古くは年の初めだったという「立春」に、山に行くことができた<年頭の計画はもうとっくに忘れてしまった向きには、あらためて「立春」を年の初めにすればいいか?>.

632.5無名鋒は、町界になっている濁川と落部の分水嶺からチョット離れて落部側にある.この山に誰が気付いてくれるであろうか.なかなか登山の対象になりにくい不遇な山ではなかろうか.同行のSho氏が数年前町界を長駆して狗神岳へ長い尾根を歩き抜けたときに、コースから離れた位置にあったこの山を目にして以来気にしていた峰だという.このことがあって、今日あらためて向かうことになった訳であった.Sho氏が長駆した尾根にしたがって、地熱発電所で知られる濁川カルデラ盆地側から尾根に取り付いた.

盆地内を三つの沢が流れており、その源を狗神岳に発する沢は「澄川」と称されて盆地の東を流れている.中の川は中央部を流れて、西隅を流れるのは西濁川と呼ばれている.三河川は盆地出口で合流し濁川となって噴火湾に流下している.

632.5無名鋒は釜別川の支流「逆川」の源流にある山である.釜別川は北流し、逆川は南流して釜別川に合流している.流れる方向が、出合いで真逆に合流するからその河川名があるのであろう.

632.5無名鋒に埋設されている三等三角点の点名も「逆川」であった.頂には、シナノキの大木に巻かれたピンクテープがあった.登山家がこれほどしっかり立木にテープを巻くものか(?)と思った.案の定というか、帰宅後に確かめた三角点の成果情報による登録年月日には2011年10月31日とあった.記録にあるように、この山には三角点関係者が昨年秋にたどり着いたと思われる.なお、頂から磐石岳方向に伐開されて、15m幅位で樹冠部が開かれていた.
基準点成果情報
登録年月日
状態
2011/10/31
正常  <標高(m)632.49m>
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歩いたコースを、下の地図の要所に赤旗で印した.濁川カルデラ盆地の駐車場所からコース上に印したが、他の尾根を地形図に従ってたどってみれば分かるけれど、コースのとりかたによっては、かなり困難を極めそうだ.先に狗神岳へ長駆したSyoさんがこのコースを選択していたので、直ちに取り付き尾根へ直行することができた.
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部分図の下の地図: 町界の記号二点鎖線に沿う歩道の記号鎖線は、国有林が管理する国有林界で、赤ペンキが立木にほどよくその目印とされて、よく管理された歩道になっていた.この歩道は三岱牧場から濁川ダムに通じているようであった.

国有林界の620ピークから南西側の等高線は、窪地あり、水系の乱れあり、地すべり地形の配置など、見慣れない画き方になっていた.他に例を見ない地形の配置は、濁川カルデラとおおいに関連するのもと考えられた.

加筆した青の平行線は尾根を表している.地形図作成のときに、空中写真からでは森林が邪魔して、青色の平行尾根は読み切れなかったと思われる.尾根に挟まれた場所は、しっかり沢地形になっていた.

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点名:逆川のピークに立つ.背景のシナノキに巻かれたピンクテープは、基準点成果情報の登録年月日を閲覧した結果から、三角点関係者が昨秋に設置したと思われる.左斜面方向の樹冠部が15m幅に伐開されて開けていた.地形図から推し量ると、磐石岳方向を観測したと思われた.周囲の森林はダケカンバ、シナノキ、イタヤカエデ、ミズナラを主とした古い二次林だった.

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ダケカンバ越しに見える白銀の平坦地は「三岱牧場」.写真には見えないが、右側に回るとカルデラ壁があって濁川カルデラ盆地の方向になる.三岱(230m)と濁川盆地(110m)の比高は110m程度あるが、632.5無名鋒から鳥瞰するとほぼ定高に見えた.そして632.5無名鋒からコース上の凸620mの稜線から北斜面は急斜面でまるでカルデラ壁のようにも見えた.

実際は、聞いたところによると、濁川カルデラの噴出は、サージ(火砕サージ:火山噴火時の現象.火山ガスの比率が高いため、高速で薙ぎ払うように流動する現象)と言って火山砕屑物が横殴りに吹き飛ばされたようである.三岱台地の地形は噴出形態(サージ)と密接に関連して形成された地形のようである.また、三岱付近では主に軽石あるいは火山灰となっているようでもある.

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カルデラ壁のコース上には美しい幼齢のブナ林(二次林)が広がっていた.時期になると例年新聞を飾る松之山町のブナ美人 と同等の美しく若いブナ林の新緑を、この地でも楽しめそうな林だった.
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