2013年4月15日月曜日

TR4東山

TR4東山higasiyama標高(m)78.56。N41°48′53″.6128、E140°46′45″.1747。設置S29年。ICタグあり。・我が家から一番近くにある三角点に行って来ました。といっても日頃ジョグに利用している東山段丘面上の耕作地隣接の植林地です。耕作地に囲まれた植林地は市有林になっており、アカマツやカラマツの植林地です。

・ 農道から20mばかり林に入ると表示板が目に入りました。落ち葉に埋まっていたり、保護石もなかったりでチョット発見しにくく手間取りました。一応GPSにメモっていたことを頼りにし、見当をつけてあたりを見回し、それと思うところの落葉落枝を足で払っていくと、標石はすぐに現れました。

・ 御影石で土壌表面に位置と同じ高さに頭を出しました。点の記を見ると埋設年がS29年となっていますが、四等三角点はこの年に設置された場合が多いことに気がつきました。四等三角点を設置した時代背景がどの様なことがあったのだろうか。

↓ 落葉層とほぼ同高に三角点がありました。下のカラマツの落葉に埋まった標石、奥に三角形のトタン製の表示板が見えます。見出し標は黄色の三角形です。見出標の面の方向は、標石の埋まる方向と45°位違っています。

なんら問題はないのですが、明治の仕事人と今の仕事人の違いが見えたような気がしました。何はともあれ、見出し標の面を標石の埋まっている方向へちゃんと向ければ、仕事人も気分が良いのにな~

仕事ぶりを「なるほど」とを見る人と信頼関係ができるのにな~。小さな事柄だけれど・・・それぞれの仕事人が心を込めた事柄が目に見える社会。そのようすが人々の心をとらえるのではないだろうか。




↓ 下の4枚の写真は見出し標示板を中心に東・西・南・北方向を4枚写真に写しました。偶然と思いますが、標石を界にして標石の北側にカラマツ林が、標石の南側にアカマツ林が植栽されていました。




↓ ササはクマイザサです。点の記では「所有者:函館市」になっているから、おそらく市有林なのでしょう。

↓ 三角点から、林の樹幹越しに函館山がチラリと見えますが、他に見とおしの効く三角点ははっきりしません。三角点設置の昭和29年から時間が経過したから周囲の森林が成長してしまったからでしょうか?

↓ 根倒しになった倒木が、林床に横たわっていました。周りの低木やカラマツ、アカマツの細さからチョット不似合いの大木です。ハリエンジュですが、先駆種で、成長は早く、寿命短しですから「森の来歴」を、しばし思いめぐらしました。
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・春は光から? 空の色から? 気温から? 太陽高度から?
・我が家の春は、
・例年孫たちの誕生祝いから「春が来た」感が深まります
・4月に入り、暖かくなりかけてきたと思ったら、
・氷点下の℃になったり、雪の舞う寒い日がきたりします
・お彼岸頃の天候のようです
・故郷の一望千本サクラが開花したと知らせています
・今年の春は早いのか遅いのか、でも着実に訪れています
・季節の遅速にとらわれず
・太陽に高さがあるので春の森を散策しようとおもうのです

2013年4月12日金曜日

亀田川中流域の森

笹流ダム、高区浄水場、低区浄水場等の上水施設は亀田川の中流域にあります。森林はよく整備されているので、森の散策愛好家にはとても好ましい地域となっています。

・まるで都市公園風でもあり、山を越えて新中野ダム方向へ下りることもでき、深い森林の雰囲気も楽しめる地域です。 北海道野鳥愛護会の探鳥地紹介にも取り上げられています。

↓・亀田川沿いの洪涵地に若いカワラワンノキ(別称コバノヤマハンノキ)の二次林が生育していますが、この場所は、地下に光ケーブルを敷設した工事跡に更新した林です。


↓・河岸の崖です。ヤマハンノキの林床になりますが、玉石がごろごろしていて、年によっては流水に洗われる礫崖でしょうか。青色はキクザキイチゲ、黄色はツルネコノメのようです。


↓・水源地の森のは、亀田川沿いの下部作業路と一段上の緩やかな尾根に上部作業路が北西方向へ伸びています。管理が良いですから散策には便利です。エスケープ歩道がそれぞれの箇所をあるから周遊もできます。トドマツ植林の間の下部作業路です。

水源の森百選にも選ばれています。

2013年4月11日木曜日

TR3赤坂

地形図を眺めると里山や耕作地風景を楽しめそうな点がそこここにあります。幾つかめぼしい箇所を拾ってGPSにアップロードしています。

鳴川岳を終えたたあとたっぷり時間があるので、GPSに記録されていた「TR3赤坂・325.3m」にAnpと行ってきました。横津岳への旧冬山コース(大中山駅~横岳荘)上にあって、作業道路になっているから薮なしであろうとして決定しました。

横津道路から作業道路に沿って下がるのいいのですが、大川台地の果樹園の入ったことがないので自動車専用道路から登っていくことにしました。道路終点のcnt270mまで舗装されていて、地形図から想定外のことでした。

休耕畑と植林との境界になる舗装道路終点に路駐しスタート10:00。古くから使用されてきた横津への旧道だが、深く浸食がすすみ、露出する赤土が滑り敷石が乱雑でやや歩きにくくなっていた。

ほぼ一直線に登っていく。「3千ボルト送電線」が並行して走っている。今では廃止されたゴルフ場用であろうか。思いの外だった歩程350mばかりの短い登りでTR3赤坂の標石に立てた。


周囲の植生をメモして帰った。どうして明治時代の測量官は「赤坂」と命名したのだろう・・・歓楽街を思い出したこともないだろうからといろいろ話しながら下ったが、確かに「赤粘土は滑るし急坂だ」?


確かに見とおしはいい土地で、大きな弧を描いて新幹線の橋げたが函館平野の真ん中を走っていた。

鳴川岳

◆2013年4月11日(木曜日) 鳴川岳:標高(m)769.2 (TR3鳴川山narukawayama

・ タイム;cnt730発(8:55)―山頂(9:15)―cnt730着(10:25)
・ メンバー:Anp、Tao

・ 天気:晴のち曇り。今朝の函館は-1.2℃でした。身支度中はブルっとくる寒気の中にいましたが、風がないからゆっくり歩けましたし、積雪は硬く締まっていましたからチョットばかり春山を歩けて満ぞくしました。

↓ 横津道路から鳴川岳方向を見とおす刈り払い幅が分かります。手前左側方向には分譲地区画線がはっきりと走っていました。分譲地内はダケカンバ幼齢林ですが、その上部は、分譲地(皆伐)を免れたブナ林が立派に生育していました。

↓ ダケカンバ二次林の上は、天然性(手つかず)のブナ林が広がっています。横津道路を900mまでブナ林は登っていますから、ここ750mでは温度的には全く問題ない自生地でしょう。



↓ 明らかな稜線に出ると、左右対称の森林が現れました。右はブナ林、稜線は分厚い雪堤で、左は広大な未立木地(幼齢のダケカンバ疎林)で分譲地前の古い牧場跡と思われます。

 ・ 古くは頂きまでブナ林に覆われていたと思われます。厳しい風衝のため、容易に更新できず森林へ遷移しにくくなっていると思われます。そんな環境なのでしょう。<伐採後に森林に回復する場所は、気のとおくなるほど長い時間がかかる環境や直ちに森林に向かってどんどん遷移が進む環境があるようです>


↓ 稜線の左側は、函館山の方向にダケカンバ幼齢林が見えますが、牧場廃止後かなり時間が経過しています。しかしその貧弱なダケカンバは、遷移の進行が遅々としていることを教えています。伐採を免れたダケカンバ大径木が右手前にみえます。チシマザサが残雪から顔を出しています。
↓ こんもりとした高みは、4~5mの高さの雪堤の上にTR3鳴川山がある鳴川岳の頂きです。しばし山座同定を楽しみました。
↓ 展望=眼下に函館山、周囲の山々は横津・袴腰・烏帽子・三森・三枚・清水・雁皮・丸山・桂・藤山・雷電・毛無・仁山・駒ケ岳、函館平野に工事中の新幹線が大きく弧を描いていました。 シンプルな風景が心に残る美しさでした。

2013年4月5日金曜日

蓬揃山 500.9m

◆2013年4月5日(金曜日) 蓬揃山500.92m
(四等三角点:点名・蓬揃山yomogizoro:選点/埋標/観測は1954年でした)

タイム;KGccゲート発(10:55)―山頂(13:15)―KGccゲート着(15:15)
メンバー:Anp、Tao

天気:晴のち薄曇。帰路は太陽に暈がかかる空模様になり、ほぼ穏やかな陽気の日和でした。函館気象台のデータは最低気温0.1℃、最高気温11.4℃を示し、融雪もかなり進んだ日になったようです。

KGccのゲートから東天紅まで除雪されています。蓬揃山直下までの道路は、ヌカってもくるぶし程度でした。

 ↓① 自動車道路に沿ってゆっくり歩いたことで、新たに気付くこともあります。グイマツLarix gmelinii (Rupr.) Kuzen. ver. japonica (Maxim. ex Regel) Pilg.とヤマハンノキAlnus hirsuta Turcz(コバノヤマハンノキAlnus hirsuta Turcz. var. microphylla (Nakai) Tatew)が7haの広さで列状に配植されていました。

カラマツ(本州に自生)Larix kaempferi (Lamb.) Carrièreと比べてグイマツ(移入種)は遅れて開葉するようだから、5月ごろに実際ここで確かめられるのはうれしい出会いでした。Larix gmelinii (Rupr.) Kuzen. ver. japonica (Maxim. ex Regel) Pilg.


 ↓② シラカバの垂直的分布は、横津岳周辺で詳しく調べた経験はあるが、渡島半島全体ではどの様な傾向であろうか? しっかり知っておきたいと思っていた。この度はKGの自動車道路に沿って標高250m~500mの間で記録することになった。

標高の最も高い所はゴルフハウスの先のヘアーピンを曲がったすぐ先で、道路をcnt430mが交差する所に三本の自生を確かめました。その先には発うう見できませんでした。KGゴルフ場界隈が上限です。大まかですが「シラカンバの垂直的分布は標高400m以下」と言えます。

ゲートのある標高250m付近はダケカンバとシラカンバが混生しています。ゴルフハウスに近づくとダケカンバの割合は増え50%を越えてきます。ゴルフハウスを越えるとシラカンバはほとんど見あたりません。

ダケカンバは亜高山帯の主要樹種ですが、亜高山帯から山地帯まで広く分布しています。シラカンバとウダイカンバは亜高山帯に自生せず、山地帯(冷温帯)に止まります。

この地方ではシラカンバとウダイカンバは山地帯(冷温帯)内に分布しますが、シラカンバはウダイカンバより低い標高域に分布する傾向が見られます。


↓③ ケヤマハンノキAlnus hirsuta Turczが側溝工事跡に一斉に更新していました。土壌は湿り気味(B型)でした。背景の輝石安山岩溶岩(雁皮山溶岩)の上はゴルフ場の平坦なグリーンです。

地質時代は黒松内層前期相当の時代のようです。峨々とした蝦夷松山~雁皮山から地形が緩やかな台地状のKGcc一帯は、同時代の溶岩ということでした。<グルフ場の緩やかな地形は、原地形が残るほど新しい地質でないから、はたして原地形が残った溶岩台地と言えるであろうか?疑問です>


↓④ 道路沿いから三森山方向の様子ですが、道路の法面にダケカンバが一斉更新しています。ケヤマハンノキに比べて適潤土壌(BD型)に更新しています。土壌の性質の違いにも、更新する樹種は反応しているようです。


↓⑤ 北に「袴腰岳」:蓬揃山から見た袴腰岳は、白銀に輝いています。左の高みは雁皮山(北峰)です。


↓⑥ 近くの蝦夷松山と雁皮山が見えます。
蓬揃山の植生メモ20m×20m方形区「H(H8m)=ミズキ、エゾイタヤ、ハウチワカエデ、ミズナラ、シナノキ、ハリギリ、ハルニレ、ホオノキ S(H3~4m)=ノリウツギ、チシマザサ 蔓(5m)=ヤマブドウ、サルナシ


↓⑦ 函館市街の向こうに立待岬、地蔵山


↓⑧ 松倉川を挟んで三森山が見えます。下の樹幹はミズキ。


↓⑨ 3月に登った雁皮山東尾根が見えます。雪庇やクレパスに苦労した山頂部の雪崩斜面は大部分が裸になっています。


↓⑩  万畳敷(台地)と泣面山も見えました。


↓⑪ 今朝の青空は、帰路に着くころになると高層雲が広がってきました。太陽を直視しても眩しくない暈が掛かりました。


↓⑫ 溶岩台地に小さな高まりとなっている蓬揃山ですが、山に貴賎はありません。立派な山でした。
頂上にはキタコブシがたくさん生えていました。生え具合は、あえて群落と呼んでもよさそうです。近所の公園の花芽のようすは「大豊作」でしたが、ここの個体はどれを見ても、花芽はほとんど着いていませんでした。はたして渡島半島ではどちらに同調しているだろうか?