2015年5月18日月曜日

恵山・428峰:通称観音山



◇ ↑地理院の地図=古武井から入る舗装道路を南東方向に下ると恵山中学校へ至る。舗装道路の最高地点(峠)手前から山道に入り山頂へと登る。山頂・428までの歩道はしっかりしていた。

恵山の海向山周辺に鐘状の山体が四つある。どれも比高(標高差)50m以上の等高線が円を描いている。

四つの鐘状の山は、駐車場等のある火口原を囲む外輪山の西方にある。

恵山の火山の歴史は、西から東へ噴火口を移しながら活動したといわれている。

この度登った鐘状の無名峰は、恵山の外輪山を形成する中で古い方の西方の鐘状火山である。




・Muna某氏の案内があって、恵山のピーク428m峰(通称観音山)へ行ってきた!

古武井から入り、ピーク428mの通称観音山へ登ったが、歩道は山頂までしっかり続いていた。

過度に繰り返し伐採利用されていた広葉樹林で、加えて恵山独特のサラサドウダンの伴う二次林を歩いた。

エゾシカの蹄道、食痕立木、食痕、ツノ砥ぎ痕、・・・。道産馬の放牧の痕跡も加わり、いっそう林床は明るく見通しの良い林になっていた。 

林床植物は次から次へと種が入れ替わり、参加者の目を満足させていた。恵山外輪山群の外側斜面だったが、花の恵山にふさわしいメンバーたちで賑やかだった。

低木はサラサドウダン、ヤマツツジ、ハナヒロノキ等ツツジ科の種はが多く生えていた。

種の種類の豊富な訳は=繰り返し伐採された広葉樹二次林、林内放牧(道産馬)、エゾシカ高密度生息地、植林不成績地、溶岩露出、火山礫地、凸型斜面、笹密度疎、強風、寡雪、濃霧(火山ガス溶融)、冷風、酸性土壌、貧栄養土壌、etc

頂上の南斜面の雑木林を抜きんでて、ヒメコマツが一本生立していた。歩道付近には株立ちで更新するヒメコマツの幼木が散見された。ヒメコマツの球果ごと埋土されて更新したと思われた(高山帯のハイマツの更新に見られる如し)。

この日の函館は最低気温6.0℃最高気温15.8℃で、空の碧空、森の緑、海の群青、大気は香る・・・世界に冠たる気象に恵まれた恵山の山。気になる五月蝿い虫もいない(大小のダニの密度は高かったが)身も心もきりりとしき締まる日よりだった。

躑躅は開花直前、姫すみつぼぽりがら、坂根ねおっていあ にどぅす・あヴぃす、さくらすみつぼひるちぺず、葉柄有翼多毛あかねすみつぼふぁらくろかるぱはみえない、雛すみつぼとくぶちあーな、類葉牡丹の集団等・・・

◇山頂から
東方に恵山。手前の山肌は草原のように見えるが、低木林と言ってみよさそうな林で、土地生産力の低い酸性土壌や強風が影響で背の低い林になっている。
北方に海向山=海向山の斜面はサラサドウダン主の広葉樹二次林であり、樹高はかなり低い林である。裾までサラサドウダンの萌芽更新林が広がるが、1960年代後半まで薪炭林として伐採が繰り返されていた領域でもある。
山頂の西側の林=クロウメモドキが混じっていた。
◇ 頂上の森林組成
・ ミズナラ、アオダモ、サラサドウダン、クロウメモドキ、カマツカ
・ ヤマツツジ、ガマズミ、タニウツギ、ハナヒリノキ、ノリウツギ、サルトリイバラ・・・
・マイヅルソウ、フデリンドウ、スゲ密、ノコンギク、アキノキリンソウ、佐久良墨、エゾノヨロイグサ、アマニュウ、ナワシロイチゴ、トウゲブキ、クサスゲ、、ニッコウシダ、エゾヤマサクラ・・・
山頂の北側の林=海向山方向である。こっちの方法の林は密度高い樹林となっていた。ミズナラ・シナノキ主の林だった。
山頂の東側の林=恵山方向でシナノキやヤマグワや低木はタニウツギ多かった
山頂の南側の林=手前からハナヒリノキ、ヤマツツジ、ミズナラ・・・
恵山中学校への道の峠:手前に登山口がある
ここから頂上までカマツカがほぼ連続。法面にイヌエンジュの稚樹が多数更新していた。
山頂までバラ科のカマツカが多く出現した。赤い葉っぱで一見ナツハゼ!
逆根だそうです
類葉牡丹。雑木林の中に集団で生育していた。
林床は明るく、笹もなし。
鉱物質露出裸地に姫萩科姫萩属姫萩。函館平野を囲む草原にも見られる。
落葉層ある陽光地(草原)に上の写真と同種が開花伸長中。
市街地に囲まれた陣川緑地の林内に自生するひなすみつぼタケダーナがこの山にも散見された。やはりここも落葉樹の林内に生えていたから、たしかに林内のものなのであろう。森林性のひな墨の花は終わっていた。
長い距と
円形で開出の五花弁と
卵型(この個体)の葉っぱでは
葉柄に軟い腰折れしそうな毛が少しあった
随分と開出する花弁だ
下弁(唇弁)の基部に距があった
左右に側弁は二個、隠れた葉っぱは卵型

葉は卵形(少し長い卵型)に見えた。基部は心形であった。

日当たりのよい草原でいくつか個体を見たが、時期の差であろうか葉はいろいろな大きさで、形も卵形~長卵形とまちまちだった。

佐久良ひるちぺす。赤根はどれだけ多毛なのか(無毛の朱音を丘と言うから厄介だ)
現地で大きなダニ(2~3mm)、小さなダニ(1mm未満)を払ってきたけれど、さらに帰宅してダニ検査を合格してほっとする(手にしているのは「なとわ」の海産物