2019年5月12日日曜日

ヤンカ山


山に行く時は ①何も求めないで(期待しない)五つの感覚に注意をはらって山を歩こうと思います。②僕は意識をひっきりなしに彷徨ってばかりいますが、山に行ったときはそうではなくよく瞑想して山と話しをしようと思います。…森林自然は人を必要としない曼荼羅だから….

冷気よくしまってよく晴れて、空気ひんやりのヤンカ山に行ってきました。
熊石アルプスは、山麓は「ブナの新緑尾根走る」季節でした。900m超は残雪の白水岳・冷水岳・ユーラップに続く熊石アルプスの尾根など、その名に恥じぬスカイラインがブナ林越しに展望することができました。渡島大島や奥尻島も、すぐそこに見えていたぐらい大気は澄んでいました。

遊楽部岳ドームは、古生代堆積岩類を貫入した花崗岩類の大き高まりです。遊楽部岳を中心に広がった山塊ですが、ヤンカ山はそれに押し上げられて西側に30度程度に傾斜した地層(重層)が見られました。登山口から地質年代の新しい順に、八雲層、福山層、茅沼層が山道からその露頭を確かめることができました。

ヤンカ山の稜線から東方の遊楽部ドーム側は深い谷になっています。緑色凝灰岩や角礫凝灰岩が受け盤を呈し、山頂から谷に向けって急峻な崖になっていました。前ヤンカ山から山頂への山道は、東に受け盤、西に流れ盤の非対称山稜になっていました。岩角地状の急峻な地形は一部は三点支持を必要とする岩角が露出していました。つまり、ヤンカ山の南北方向の山稜から西側に傾斜する日本海側では、八雲層の流れ盤と福山層の流れ盤を観察することができた。
 
その受け盤がつくる崖地にミヤマアズマギクらしい開花中の種が見つかりました(話題参加者数名) 2018.05.12 HSCヤンカ山行時です。
:岩場に花開いていたアズマギク類について。以下は、メンバらによる話題(Yo氏撮影画像も)のメモです。
●日本のアズマギク類:冠毛色や毛の多少、葉形、花色、分布地理の違いによる幾つかの亜種/変種/品種が知られている。
①基本種アズマギク(温帯)自生地の北限は青森県
②亜種ミヤマアズマギク(高山帯寒帯)の礫地/草地
③変種アポイアズマギク(蛇紋岩)はアポイ岩礫地
④品種キリギシアズマギク(石灰岩)は崕山
⑤ヤンカ山のアズマギク類は既知の種か…?
 A’北限青森県から北上しヤンカに隔離分布した種か?
 B’高山帯から下りてヤンカのブナ帯に隔離分布した種か?
 C’蛇紋岩や石灰岩環境からヤンカ岩角地環境へ隔離分布した種か?
(Yo氏撮影の画像ではアポイ種ではないことは明らかでした) 
・ ヤンカの種は既に調査同定されているかだろうか?
・ また、渡島半島のブナ帯にヤンカのような自生の例はあるだろか? 
・ 同地の立地は:標高 530m、方位NE、傾斜 40度、地質 福山層凝灰角礫岩、地形 受け盤の岩角地(雪崩斜面上部)、土壌 未熟の匍行土で乾燥、周辺植生 原始的ブナ林)
・  今後:ヤンカのアズマギク(?)の結実期にHSCによる山行を希望。 話題の発展を期待してメモしました:文責Tao(参照:梅沢本、5万地質図)

⇒八雲層の流れ盤3枚



⇒福山層の流れ盤(やや緑色っぽかった)

⇒八雲層から福山層へ移る断層(コルとなっていた)にできた痩せ尾根。

⇒ヤンカ山の南稜:急峻な岩角地になっていた(左が流れ盤右が受け盤の地形)。

























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