2010年10月4日月曜日

コハマギク

2010.10.2(土)


噴火湾沿いに鹿部から川汲に南下した。角礫質火成岩の岩礁海岸や磯浜海岸が続き、海に落ちる”三味線滝”などもあって、山側は急崖が発達する小さなカーブが繰り返す国道だった。この季節、咲き始めたコハマギクにめぐり会いたいのは何時ものこと。小さな山旅の帰路、海岸を回ってコハマギクを訪ねた。岩角地はもちろん、海風の強い風衝の草原にも大きな群落をなしていた。この花を見ると、コハマギクDendranthema arcticum ssp. maekawanumとエゾノソナレギク(ピレオギク)Dendranthema weyrichiiの地理分布について宗像英雄先生から学んだのはもう遠い昔になってしまった。同時に南茅部海岸の特殊気候や様似のアポイとの地理的関連などの興味深い話も思い出される。
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<北海道レッドデータブックより転載>ピオレ:北海道西南部、サハリンに分布するキクの仲間。海岸の岩のさけ目に生える高さ10~60cmの多年草で、9月にうすいピンク色~白色の花を茎のてっぺんに一輪ずつ咲かせる。和名の「ピレオギク」は、サハリンのピレオという場所に咲いていたため名づけられた」。コハマギク:北海道の根室から渡島までの太平洋岸沿いと、関東北部以北の太平洋岸沿いに分布するキクの仲間。海岸の岩上に張りつくようにしてびっしりと生える。9月の花の時期は、葉の緑色と花の白色のコントラストがとても美しく、青い海によく似合う。和名の「小浜菊(こはまぎく)」は、同じキク科のハマギクに比べて小さいため名づけられた。」