2007年6月27日水曜日

二股山.△点568.7m(イヌヌシュナイ) <旧河川名[犬主川]、現河川名[犬の巣川]遡行>





2007.06.27(土)

小さな沢・小さな山に美しい渓相:同行Hozu・mKiy・wKiy氏 ・ JR二股駅から長万部側1500m付近にある架橋下に犬の巣川が流れる.そこは国道5号線に沿う水準点30.4mだが、その河川の左岸に草つきの道路が林に覆われた状態で設けられていた. ・草つき道路の終点が水道の取水場であった.入渓は9時13分(標高65mの取水場)~行動中止は12時00分(標高310m二股)-下降開始(12時30分~入渓地点15時15分(標高65m). ・ <道程3.3kmばかりで、標高差が500mほどだから、情報がない沢ながら、小さな山、小さな沢だからと計画では往を3時間、復を2時間とした> ↓ルート図 【三角点:点名 二股岳 二等三角点 地形図は室蘭-長万部 緯度42°33′16.9013経度140°17′17.6801標高568.68m(X)-160553.961m(Y)3140.602m所在地長万部町字二股 点の記図× AY00043S:J1UpXp】 【二股山は山名であり、よくあることだが「二股岳」は点名だった. ・遡行河川の川名は「犬の巣川」でその名前にチョット奇怪な・あやしい?感じがした.「犬の巣」とは聞いたことがない言葉だ.古い地質図を見ると同河川は「犬主川」と記載されている.国有林図も「犬主川」の記載がある河川だ. ・「犬主」で検索してみた.「樺太犬主殖民地区画図にヒットした.「イヌヌシ」と読むらしい.イヌヌシで検索してみた.中標津・菅原氏の「イヌヌシュナイ・・・漁猟小屋ある川・オシャマンべ川」を知った.地質図や国有林図に記載された「犬主川」に得心した.やはり「犬の巣」はいただけないことになる. 【コースの地質:国道(水準点30.4m)から犬の巣川沿いに段丘面を進んだ.まもなく左右は丘陵状の地形になり「瀬棚層」域に至ったことを知る.道路の終点に水道の取水場があったが、いよいよ入渓地点(標高75m)だ.ここから「ガロ川火山岩類」(*1)が二股山まで続いている. 【渓相:事前に地質図をチェックした.・中流域に背斜軸と向斜軸が渓流に直行していた.・発達した岩脈が渓流に4ヶ所直行していた.傾斜は向・背軸の間以外は流れ盤になっていた.・地形図をあらためてみると谷壁が発達していると読めた.Yahooの航空写真をチェックしてみても雪崩荒地斜面や笹生地がかなりの広がりに見えた.これらの事柄は振返ればそのとおりの渓相であった.流れ盤にホールドが頼りなくビビリ、岩脈は浸蝕に抵抗して高き滝となって、谷壁や雪崩荒地斜面(特に右岸、ヒメヤシャブシ・タニウツギ群落が次々と絶えることなく現われた)がたちはだかり高巻きのルートもままならない.これも後から気づかされることで、予定の時刻を大幅に遅れて制限時間だ.リベンジを誓って行動中止することとなった.20mザイルで良しとして入渓したが、帰路の懸垂下降では20mザイルではギリギリセーフであった.<事前に注意深く情報を読めばと…反省(-_-;)> (*1)↓:ガロ川火山岩類の模式地「賀老川」にある滝 *1「ガロ川火山岩類」=輝石安山岩質水冷破砕岩(ハイアロクラスタイト)・枕状溶岩および火山円礫岩と発達した岩脈。・【日本の地質1.北海道地方】P88:日本の地質『北海道地方』編集委員会編:共立出版KK.1990年によると=「ガロ川火山岩類」は、久保ほか(1983)命名.模式地は黒松内町の賀老川.模式地と長万部町西方に分布.(長尾巧・佐々(1933a)に相当.主に安山岩質の溶岩・火山岩からなり、基底礫岩をともなう.安山岩溶岩のK-Ar年代で4.37~4.47Ma(久保ほか、1988).黒松内層(*)を不整合に覆う.層厚500m以上.(*)犬の巣川では瀬棚層)】 .................................................................................................... *2模式地の黒松内町の賀老川には、写真「寿都郡黒松内村パンケクロマツナイ(通称ガロ川)ノ瀧ノ景(成立年 明治末(?))」…北方資料データベースより< http://ambitious.lib.hokudai.ac.jp/hoppodb/photo/doc/0B013680000000.html >のようにいい滝相があるようだ.この沢から黒松内岳への遡行も興味深い.*一昨年遡行した黒松内岳ブナの沢の左股:輝石安山岩質水冷破砕岩(ハイアロクラスタイト)が5mの滝となって現われた. *(註:パンケクロマツナイとは、現在の賀老川のこと.データベースアイヌ語地名(北海道出版企画センター)によると、パンケクルマツナイ(ルとツは小さい標記)は、松浦武四郎の図ではクロマトナイ(黒松内川)の一番下流側の支流ということでハンケクロマトナイという名前になっている.現在の滝の写真は、賀老川分岐から500m上流にある.(註はブナセンター 学芸員 斎藤均より) .................................................................................................................................................................... ↓ 入渓直後の渓相:瀬棚層を覆ってガロ川火山岩類がはじまる . . ↓間もなく釜と小滝 . . ↓いくつとなく様々な滝相が現われる 谷壁、ヒメヤシャブシ・タニウツギの雪崩荒地 向斜・背斜軸、断層、岩脈がいくつも沢筋と直行していた . . ↓左右は雪崩荒地のヒメヤシャブシ斜面で高巻きはかなわず 滝の右側の草付きを慎重に這い上がる . . ↓滝の右側:足がかり手がかり小凹凸あって… . . ↓標高290m分岐:往路は右側の滝の右側縁の草をハンで、 帰路は右岸側の羽衣滝の上を高巻きして、写真の最左 側の草付きを、ブナにビレイして懸垂下降(20mザイル)した ザイルの長さが30m欲しい場所でした

http://morinotuti.web.fc2.com/sangakugazou/inunusyuIMG_3152.jpg