2015年11月11日水曜日

恵山高原ルート

←左の図は作業中の高原ルートに置き忘れたサングラス(遮光機能付き)
左図:青実線は復活作業を実施した恵山高原ルート。赤い実線は国有林と民有林の境界線。

 恵山は何度か訪れています。 一番最初は、恵山温泉旅館駐車場から前山のツツジ山展望台を経由して瘠せ尾根の上がり、恵山展望台へ出て地獄谷(爆裂火口)に至り、賽の河原を経て、溶岩ドーム下部のたくさんの大きな岩の間を辿り,恵山の山頂を往復した時です。

旧高原ホテルの裏から海向山登山口の旧放牧場を経て賽の河原に至る道も思い出多い山道です。この道は地獄谷から採掘した硫黄の搬出路だったと聞いています。

展望所(255m)下のミズナラの急斜面に樋状の溝がみられます。薪炭材を搬出した跡地と言われますが、展望所に一旦集積した硫黄鉱石を流し落した跡が、今に残る樋状に抉られていると考えられます。

咋初冬、道央の知人らと恵山に登りました。自動車道は冬季閉鎖されていたから、瘠せ尾根を静かに登らせていただきました。「山麓の駐車場から公認の登山道が欲しい」と、その時話題になりました。

昨初冬の恵山展望台への道は、矮性低木類の保護上復活させることは簡単ではないでしょうが、通年登山可能な山道としての旧搬出路は



登山路復活作業の途中で目にしたモチノチ科のアオハダ
全山落葉を終えた広葉樹林の中に一人葉っぱを着けたままのオアハダ。
短枝がかなり発達し、束状に見える着葉のようす。これはアズキナシの着葉の仕方にも似る。
軟肌はコシアブラのようにも見える。しかしコシアブラと異なって、かすかに小豆色をも感じられる。
膝小僧状の枝の跡が目につく。
樹形や枝張りに特徴がありそうだ。


2015年6月16日火曜日

「燈明岳~知内岳~岩部岳」:縦走コース

・知内山地(燈明岳から岩部岳)の縦走はアップダウンあって、上りは大小含めて赤ラインの10か所。上り高度100m以上は5個所になった。


知内山系の(「燈明岳~知内岳~岩部岳」:縦走コース)の稜線を縦走した詳細はこちら
知内町の東莱川沿いの林道ゲートをスタートし、福島町千軒の大きい沢林道終点に降りたった。

水平距離16km
所要時間8時間50分
累積標高+1496m
累積標高-1450m
アップダウン(ピークの数)10
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ルート上の地理院地図情報と国有林地図情報
* スタート中東莱川林道沿い270m
* 東莱川林道
*  標石905
△燈明岳。▲三等三角点:神馬山577.48m
* ・641m
エスケープルートCo590m
* 標石610
* ・656m
△奥丸山。▲三等三角点:奥丸山826.28m
△知内岳。854m
* 標石613
エスケープルートCo738m
エスケープルートCo650m
* ・680
* ・607
* ・610
* ・701
エスケープルートCo580m
* ・682
* ・683
エスケープルートCo670m
△岩部岳。▲三等三角点:岩部岳794.24m
*ゴール大きい沢林道Co320m
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**勝手に「知内山地」と呼んだ地域。縦走は福島町管内の方が多いから、この呼称は気になっていた。しかし以下の事情を知ってがってんした。

後に知ったのだが、仮称「知内山地」は地質説明書「知内火山岩類」の分布とほぼ重なっていた。
<以下地質図説明書から要約>
「知内火山岩類」=とする標高500~800m の山稜が東西方向に延びる。
・ その東側は、三角点 ◬826.3mを頂点に丸山安山岩がつくる. ・・・・・・・コモナイ川~知内尖山
・ その西側は、岩部岳,池ノ岱山など,溶岩円頂丘がつくる・・・・・・・・・コモナイ川~福島丸山


2015年5月18日月曜日

恵山・428峰:通称観音山



◇ ↑地理院の地図=古武井から入る舗装道路を南東方向に下ると恵山中学校へ至る。舗装道路の最高地点(峠)手前から山道に入り山頂へと登る。山頂・428までの歩道はしっかりしていた。

恵山の海向山周辺に鐘状の山体が四つある。どれも比高(標高差)50m以上の等高線が円を描いている。

四つの鐘状の山は、駐車場等のある火口原を囲む外輪山の西方にある。

恵山の火山の歴史は、西から東へ噴火口を移しながら活動したといわれている。

この度登った鐘状の無名峰は、恵山の外輪山を形成する中で古い方の西方の鐘状火山である。




・Muna某氏の案内があって、恵山のピーク428m峰(通称観音山)へ行ってきた!

古武井から入り、ピーク428mの通称観音山へ登ったが、歩道は山頂までしっかり続いていた。

過度に繰り返し伐採利用されていた広葉樹林で、加えて恵山独特のサラサドウダンの伴う二次林を歩いた。

エゾシカの蹄道、食痕立木、食痕、ツノ砥ぎ痕、・・・。道産馬の放牧の痕跡も加わり、いっそう林床は明るく見通しの良い林になっていた。 

林床植物は次から次へと種が入れ替わり、参加者の目を満足させていた。恵山外輪山群の外側斜面だったが、花の恵山にふさわしいメンバーたちで賑やかだった。

低木はサラサドウダン、ヤマツツジ、ハナヒロノキ等ツツジ科の種はが多く生えていた。

種の種類の豊富な訳は=繰り返し伐採された広葉樹二次林、林内放牧(道産馬)、エゾシカ高密度生息地、植林不成績地、溶岩露出、火山礫地、凸型斜面、笹密度疎、強風、寡雪、濃霧(火山ガス溶融)、冷風、酸性土壌、貧栄養土壌、etc

頂上の南斜面の雑木林を抜きんでて、ヒメコマツが一本生立していた。歩道付近には株立ちで更新するヒメコマツの幼木が散見された。ヒメコマツの球果ごと埋土されて更新したと思われた(高山帯のハイマツの更新に見られる如し)。

この日の函館は最低気温6.0℃最高気温15.8℃で、空の碧空、森の緑、海の群青、大気は香る・・・世界に冠たる気象に恵まれた恵山の山。気になる五月蝿い虫もいない(大小のダニの密度は高かったが)身も心もきりりとしき締まる日よりだった。

躑躅は開花直前、姫すみつぼぽりがら、坂根ねおっていあ にどぅす・あヴぃす、さくらすみつぼひるちぺず、葉柄有翼多毛あかねすみつぼふぁらくろかるぱはみえない、雛すみつぼとくぶちあーな、類葉牡丹の集団等・・・

◇山頂から
東方に恵山。手前の山肌は草原のように見えるが、低木林と言ってみよさそうな林で、土地生産力の低い酸性土壌や強風が影響で背の低い林になっている。
北方に海向山=海向山の斜面はサラサドウダン主の広葉樹二次林であり、樹高はかなり低い林である。裾までサラサドウダンの萌芽更新林が広がるが、1960年代後半まで薪炭林として伐採が繰り返されていた領域でもある。
山頂の西側の林=クロウメモドキが混じっていた。
◇ 頂上の森林組成
・ ミズナラ、アオダモ、サラサドウダン、クロウメモドキ、カマツカ
・ ヤマツツジ、ガマズミ、タニウツギ、ハナヒリノキ、ノリウツギ、サルトリイバラ・・・
・マイヅルソウ、フデリンドウ、スゲ密、ノコンギク、アキノキリンソウ、佐久良墨、エゾノヨロイグサ、アマニュウ、ナワシロイチゴ、トウゲブキ、クサスゲ、、ニッコウシダ、エゾヤマサクラ・・・
山頂の北側の林=海向山方向である。こっちの方法の林は密度高い樹林となっていた。ミズナラ・シナノキ主の林だった。
山頂の東側の林=恵山方向でシナノキやヤマグワや低木はタニウツギ多かった
山頂の南側の林=手前からハナヒリノキ、ヤマツツジ、ミズナラ・・・
恵山中学校への道の峠:手前に登山口がある
ここから頂上までカマツカがほぼ連続。法面にイヌエンジュの稚樹が多数更新していた。
山頂までバラ科のカマツカが多く出現した。赤い葉っぱで一見ナツハゼ!
逆根だそうです
類葉牡丹。雑木林の中に集団で生育していた。
林床は明るく、笹もなし。
鉱物質露出裸地に姫萩科姫萩属姫萩。函館平野を囲む草原にも見られる。
落葉層ある陽光地(草原)に上の写真と同種が開花伸長中。
市街地に囲まれた陣川緑地の林内に自生するひなすみつぼタケダーナがこの山にも散見された。やはりここも落葉樹の林内に生えていたから、たしかに林内のものなのであろう。森林性のひな墨の花は終わっていた。
長い距と
円形で開出の五花弁と
卵型(この個体)の葉っぱでは
葉柄に軟い腰折れしそうな毛が少しあった
随分と開出する花弁だ
下弁(唇弁)の基部に距があった
左右に側弁は二個、隠れた葉っぱは卵型

葉は卵形(少し長い卵型)に見えた。基部は心形であった。

日当たりのよい草原でいくつか個体を見たが、時期の差であろうか葉はいろいろな大きさで、形も卵形~長卵形とまちまちだった。

佐久良ひるちぺす。赤根はどれだけ多毛なのか(無毛の朱音を丘と言うから厄介だ)
現地で大きなダニ(2~3mm)、小さなダニ(1mm未満)を払ってきたけれど、さらに帰宅してダニ検査を合格してほっとする(手にしているのは「なとわ」の海産物

2015年4月26日日曜日

茂刈山

大赤岳と北隣りの鋭鋒666m峰狙いで、函館を朝6時に出かけました。SYOさんは666m峰は未踏でしたし、私は両山とも未踏です。

この季節ですから林道の残雪の様子は年によりかなり異なります。林道は雪が融けいて出来るだけ奥まで車が走行できるように。林道など道のない個所は雪がいっぱいあって藪歩きが少なくて済むことを願うことになります。

湯ノ岱温泉を過ぎて5kmほど進んだところで、上の沢林道上への崩落土石に遭遇してしまいました。少なくとも国有林入り口ゲートまで車で行けると考えていたので、戦意喪失です。ゲートのかなり手前で断念するこのになりました。

転山して大岳・赤岳へ向うが、大安在の台地の最高地点あたりで、林道上の残り雪に阻まれて、ここも撤退することになっってしまいました。

あきらめが肝心とばかり、低山の太平山と茂刈山へ登ることに決しました。大平山は電波塔の管理道を行くだけだし、茂刈山は里山で既登の山です。直ちに両山に向かいました。


◆茂刈山で
1 登山路について:既定のルート(地形図の青の実線)が低木で覆われているから森歩きの楽しみが少ない。国有林の境界管理道(地形図の赤実線)を使うのも、深い森を歩ける楽しがあると思うから挑戦しても面白い。

2 既定のルートは、かなり硬い粘板岩・チャート等(地質図の灰色)の転石が足の下にとても五月蝿く痛い。なお、地質図の青色は石灰岩。

3 茂刈山周辺で重昌石(バリューム原料)の鉱山が稼働していたらしい。


小等三角点(茂刈)382.56m(北海道と刻印されていた)
・ 三角点と名前のつく変わりものの測量標石では小三角点があります。

上西勝也氏参照
=1911年(明治44)北海道庁から陸地測量部に要請があり設置された基準点で渡島半島南部(函館の西)に30数点ありました。

現在もまだ数点残存しており国土地理院のデータベースでは「小等三角点」として整理されています。

わたしは木古内町の山中で1ヶ所、小三角点「上山崎」6240-43-1401を見つけました。

左が小等三角点標石
右が国有林野の図根点標石

山頂標識のあるピークは展望も良い場所になっていた。

標石は、そこより上側のササやぶの中にあって、チョットだが探索が必要だった。
茂刈山山頂:ススキ・ヤマツツジ群落になっていて、石炭紀の硬い硬いチャートが露出していた。

いわゆる風衝地(無流木地)である。
茂刈山から天の川越し大平山、
そして、↓は左から・大赤岳・赤岳・大岳・木無山

季節は、エゾヤマサクラ
キブシ
テングスミレ
ヒメアオキ
シラネアオイ


◆「大平山で」はこちら



大平山

←赤pin:茂刈山382.6m









←灰色の中の赤pin:大平山364.0m(本日登頂を果たした)










左端ピン:木無山647m
右端ピン:八兵岳519.5m



中央左ピン:大岳775.6m
中央右ピン:赤岳719.3m



右下ピン:大赤岳735.0m
上の図は地質ナビから
◇灰色(430)は松前層群(石炭紀)チャートや粘板岩が主。灰色の中の青色は石灰岩。
◇黄色(1050)は福山層(中新世前期)安山岩~玄武岩溶岩が主。


福山層のど真ん中にある大岳の北川に広がる「大安在域」の尾根は平原状に広がっていた。

写真で見えるとおり、「大安在域」の尾根は平原状で定高性の尾根がかなりの広がりがあって、渡島半島には他に見ない地形だった。

原植生はもちろんブナ林である。伐り残されたブナ林に開花を見た。今年は多量の開花と見えた。
大平山への道路(電波塔管理のための専用道)の入り口は施錠されていた。
手前の方向は、電波塔へ向かう道路。
奥の正三角形の高みが大平山。
大平山越しに南西方向には木無山。
大平山越しに左には大岳が見えた。

2015年3月29日日曜日

小沢峰(TR6図根点の点名)


*青細線は横るへのルート   *青太線はTR小澤峰往復ルート   
*赤線は国有林内林道・歩道   *赤▽は小澤峰
*青○中点は境界標石(低位標高は国有林、高位標高は道有林)   

*緑実践は空中写真で判定できた旧横津岳登山道の跡(旧登山道は、国有林標石個所を辿ってムサの沢に下りたと思われる)   *

最高気温15℃の暖気の日でした。SYOさんといくさ川上流のムサの沢牧場をスタートし、固雪は期待できません。目指す一座めは、図根点小澤峰771.7mです。昨春4月19日(日)にも苅間林道→楢山経由で登っているポコです。

昨春は、ポコの図根点標石がアクシバとともに残雪の中に露出していました。静かな山です。ブナの一斉林に囲まれて突出しているから、ブナ林に囲まれながらも展望を楽しめます。ブナ美人に成長すること間違いなしの幼齢林(80年生程度?)です。横津台地崖がしっかり見通せて、小粒ながらいい山でした。

基準点コードTR66240753901(基準点→その他基準点)旧道庁が設置し図根点144)
等級種別 図根点
基準点名 小沢峰
部号 北海道ⅩⅠ3
登録年月日 2014/04/01正常
北緯41°56′49″.0829
東経140°44′50″.5103
標高(m)771.69
作業年月日20140313
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・スタート付近から烏帽子山と横津台地のスカイラインをのぞむ。

近年大沼の周囲の斜面が大規模に牧草地に開墾されているという。ここはその一部であろうか。
・下は民有林でくそう管理道は国有林が管理している。写真右のマカバにピンクテープが巻かれている。これは境界標石の見出しの役目であろう。
・ダケカンバにシナノキ等が混じる。
・原生的ブナ林が皆伐採されるとダケカンバ林へ置き換わる立地条件は・・・

=標高600m以上のやや凹地形の緩やかな斜面で、やや湿り気味の土壌と考えられる。<皆伐のされ方が土壌撹乱を伴う場合はさらにきれいなダケカンバ一斉林へ移行しやすい傾向がある>
・楢山方向に白き峰
・行く末はこころ豊かな気高きブナ美人、静かなブナ林でした。樹齢は80年経過したか否か!
・頂はブナの幼齢林で、静かな林でした。その頂から東側に横津の台地崖が壁になって、直前に立ちはだかっていた。

壁のような雪の斜面を越えると、そこは横津岳の広々としたなじみの台地です。

・昨春の山お頂ピークでは、標石が露出して見えた。標石側面に「北海道144」の文字が彫られていた。

図根点として素晴らしい突出したピークで、七飯岳北方向~東方向が広く見渡せた。