2012年10月13日土曜日

佐太郎沢

 2012年10月13日(土曜日)。入渓時刻7時50分(Co120m)。行動ストップ11時50分(Co480m)。帰着15時10分(Co120m)。総行動時間7時間20分。
 秋も深まり、早朝にはかなり降っていた雨は上がった。増水を心配したが、ひとまず現場に出かけて判断しようと出発した。思いのほか水嵩は増していなかった。気温は低い。入渓装備を身につけている間は寒さで身体が震えた。私は久しぶりの沢である。行程7km往復、そして源流部の地形図は岩記号や狭いコンターが記されている。同行士らは、今年もかなり沢をこなし、技能と経験を有しているSakagShohir-taniさん三人と一緒だから、ことさらに緊張し心も高ぶり震えていた。

佐太郎沢(5万地質図参照) . 道道八雲厚沢部線から西北方向に分岐する清水川林道を2.9km進んだところに(林道)清見沢支線がある。沢名は「佐太郎沢」だけれど林道名「清見沢」であった。上流にある三角点名「清見岳」をもって林道名に採用されたものであろうか・・・。

 佐太郎沢の入渓地から700m進むと左に「吉野沢」が鋭角度で分岐している。この二股から上流の集水面積は、左の吉野沢流域は2.12㎢ 右の佐太郎沢流域は4.39㎢で、本流域が左の2倍ほどの広がりだ。当然本流側の水量が左を圧倒していた。

 佐太郎沢左岸Co120mから始まる林道清見沢支線は、Co140mに架橋されてその林道は吉野沢の左岸に移って吉野沢を延びていた。
 入渓後、清水林道に懸かる橋の下を潜り、幅広い立派な渓床を300mばかり進むと国有林境界の管理歩道が佐太郎沢を横断していた。

 Shoさんから「ナメ目当てです」のお誘いがあったとおり、入渓後間もなく美しく黄色系の河床が現れてナメが出始めた。

 地質図を見ると、佐太郎沢流域全体は後期中新世末(黒松内層の最上層:火山角礫岩部層(5.2万年~))になる。 岩相は、集塊岩・礫岩・凝灰岩が繰り返し現れて、安山岩溶岩が河床標高で・220m~・300m間に現れることを期待できた。同等の性質を持つ山は崖沢奥~山吹峠の二等三角点釜別~狗神岳に続いていた。その意味で
Sakag・Sho氏が積雪季に登った二等三角点釜別への遡行もまた佐太郎沢と似ているのではないかと思う。

 ナメは、明色で美しい凝灰岩が河床に現れて、靴底にフリクションがよく効いて歩いていると心持ちがたいへんよろしい。ナメよ長く続けよと河床に呼び掛けたくなりながら「ミニミニクワンナイ」を楽しめた。

 繰り返し現れるナメ滝・小滝・小函そしてヘツリは、黒い生物が岩を色取る箇所は滑っていやらしいけれど、他は岩相をよく現出していて手がかり・足がかりに困ることなくグングン行動ストップ地点まで進むことができた。

 2か所の大滝は、岩を前に静かに思索するtani氏のトップでなんなくクリアーできた。ロープワークもおおいに楽しめたし、おおいに満足し、Co480mで出合った大滝を前にしてちょうど正午。
物静かに「午後3時まで下山しなければならない季節になった」というtani氏に従い行動をストップした。 同行の士に恵まれて、緊張も心の高ぶりも杞憂に終わることができた。
......

1 左は吉野沢2.12㎢。右は佐太郎沢4.39㎢。水量も1対2。
  あ


2 佐太郎沢に架かる橋は、吉野沢の左岸へ向かっている
  い

3 ナメ床を「ミニミニクワンナイ」と呼んで、ワイワイ!河床は凝灰質岩


4 溶岩域の河床に、数か所大石が塞き止めていた。石の上は、流域にまれに点生するヒバ
  え

5 大滝を前に、如何して攻めるか、テラスは、薮は、左のシャワーは、この滝の上に出れるか?
  テクニック議論

6 テク1 tani・shoの二人の力を合わせて、一歩前に出た
テク1
 
7 テク2 二人は離れた、トップのリックの重さが気になる?
テク2

8 テク3 さて次の一歩は何処に・・・トップとセカンドの息が合う・・・?見事にトップは滝の上に出た。サポートは滝下へ戻れた(拍手)
テク3

9 正午になった:行動ストップに安堵した。みんなが休んでいる間、背景の写真の滝へ、Taniさんが果敢に試みていた。ルートは見つかるか?集塊岩の岩で何とかなりそうですが如何でしょう!行動ストップ
  行動ストップ

10 沢登りの帰路はうれしい。懸垂下降で10m滝を(洞窟みたいな岩下へ潜らないように右左とコントロールしながら下りる
懸垂10m
  懸垂10m

11 45mロープダブルでダブル5mあまして、全長17mの懸垂下降。支点はミズナラφ14㎝懸垂17m
  懸垂17m

12 早朝は強い雨で冷え込む、遡行中は快晴無風、帰路は雨模様でフロントグラスが濡れた。***と秋の空・・・
  
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