2011年12月1日木曜日

アズキナシ(大豊作年)

・2011.12.1(木)今季最低の-4.2°、最高気温1.9°の冬日でした.寒気団が日本を覆うようになり昨日から冬型の気圧配置となっています.明日にかけて、次第に寒気団の高気圧に覆われる模様です.15時ころ公園に出ると、風は弱く、もう高気圧の下に入っているような明るい美しい青空に巻層雲が薄く見られました.
・アズキナシの枝は、顕著な短枝を形成します.長く伸びる普通の長枝は、写真の梢の上の方に果実が付いていない枝が見えますがそれが長枝です.長枝はかなり少ないことが分かります.長枝を手に取ると紫色で美しく小さな皮目が目立っています.花は短枝に限って着きます.写真から分かりますが、枝に果実の着いている様子からは、短枝が樹冠のほとんどを占有しているように写真には写っています.短枝を発達させるのは、枝へのエネルギーの配分を少なくして、効率よく果実を着けるようにしているのでしょうか.

・今年のアズキナシは、渡島半島の山も公園も、大豊作の年で、各所の林に赤い樹冠が見られます.アズキナシは、豊凶の差が大きい樹種の類に分けられるでしょう.ブナは5~7年に一度の期間を隔てて豊作年が来ます.豊凶年の着果量の多寡の差の大きさは、樹種によってそれぞれ特性があることが知られている.昨年のダケカンバは大凶作で渡島半島のどこも種子を見ることはまれでした.しかし、残念ながら、樹種ごとのデータは、長年の調査期間が必要なことから、まだ揃っていません.

・アズキナシはカタスギの別名を持っています.採材すると材は赤みがあってチョット秋田杉の材色に似ていました.一見スギかと思うほどでした.そして拍子木にふさわしい材と思えるほど堅さはかなりものでした.ひょっとしたら別名カタスギの名の由来は用材の色や性質からきていると思っています.

・さて 次の大豊作年はいつになるか、5年後か?7年後か?その年が来るのをおおいに楽しみにしています.
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・アズキナシ<Sorbus alnifolia>ナナカマド<Sorbus commixta

2011年11月26日土曜日

五郎助岳(ヒバ)

五郎助岳は、私の伝説の山となっていました.その訳は、1 五郎助岳の頂付近に、修験者が籠もった岩窟があるとの言い伝えがある.2 往時、五郎助岳は江差町豊部内から館への山道であったと古老は語っていた.3 元山の山麓の風力発電所建設に働いていた厚沢部町上里の老マタギ米谷林蔵さんが、仕事場から五郎助岳経由で自宅まで歩いて帰ったことがある.こんなことを見聞きしていたことがあって、五郎助岳に行きたいと願ってから20年も経ってしまいました.<1940年台の地図に上の国茂刈山→八幡岳→館への道が明示されている.それに比べると江差豊部内→五郎助岳→当路への道は生活路としても全く無理はないと思われる>

雪山シーズンへの体慣らしに登った先週の七飯岳の帰路、車中でSakagさんShoさんらと「次週は?」との問いに、取るに足らない「低山」だけれど、念願の「五郎助岳」を提案して、採用された山でした.

八幡岳から当路集落へ北流するコサナイ川の右岸ある林道を、車を国有林野の境界ゲートまで、雪道を進めることができました.コサナイ川に降りて渡渉した地点が取り付き尾根になります.帝室林野局が管理した、御料林の境界に沿って尾根をたどれば山頂に至ります.古生層特有の谷壁状の取り付きは「今日の核心部だ」の声が上がるほどの急斜面でした.雪を載せたササ斜面を避けて、ガリー状の凹部(小沢)を、新雪+新鮮落葉+岩礫の3層を靴底で確かめながら、慎重な「梯子登り」で這い上がりました.途中ヒノキアスナロの小林もある標高差150mを登りきって、安定した尾根に立ちました.平均斜度35°を超す、最大斜度40°はあったでしょうか.

早くも、御料林の境界標石(御影石)を雪の尾根に発見できました.頂までの間に、積雪の下、幾つかの標石が足に引っ掛かりました.雪の下から見つかっただけでも、山地の境界としては「なんだこの多さは?」でした.往時、生活資源を木材へ依存した社会があったとはいえ、異常なほど密度が高く標石が設置されていました.

2011年11月23日水曜日

七飯岳<雪山シーズンへ>

今秋の勤労感謝の日は、夏道情報真偽確認もあって砂蘭部岳を予定していました. 生憎函館は21日16cm、22日7cm、2日続いての降雪がありました.いよいよ冬の積雪シーズンです. これでは夏道探索にならないので砂蘭部岳は諦めました. それぞれ体を空けていたので、冬山への体慣らしを兼ねて、近くの七飯岳に SakagさんとShoさんと三人で出かけることになりました. 高速道路の山側近くに車をデポして、冬山ガイドにも紹介されている鳴川採石場の北側尾根ルートをたどりました. 山地への植林では稀なカツラ植林地を過ぎた場所から尾根に取り付きました. 採石場を目にしながらの雑木林の尾根歩きが続きました. 採石場を離れるあたりから雑木林にブナの木が少し混じってきます。太いブナの木もありました. 雑木林を抜けると城岱牧場に入ります. 牧場の南東縁では50cmの吹き溜まりになっていました. チョットの区間でしたが、膝頭で雪を押す感触は冬山シーズンへの体慣らしに十分です. SakagさんのHPでもわかるように、雪の頂、碧き空、雪の乙部岳、うれしい初冬の風景でしした. 初めて訪れた東端の鋭い雪の岩場は、降りて登って・・・静かな時間を過ごせました. 岩場にはコメツツジのほかにハイマツも生えていました. SakagさんもShoさんも南アルプスの光岳を訪ねています.ハイマツの地理上の分布南限が話題になりました.渡島半島の自生地で最も低い標高は何処か?・・・二等辺三角形の工事中の新幹線操車場を眺めながら降りました.

帰路、ハイマツを数株観察しましました. 恵山のヒメコマツをハイマツに見間違う例もあるので、ハイマツの葉っぱを少しいただいてきました. 葉断面の樹脂溝は、確かにハイマツのものでした.
・ハイマツの樹脂溝=1~3個.下表皮に接し、辺3等分の位置か中央に寄る
・ヒメコマツの樹脂溝=2個.下表皮に接し、辺3等分の位置より両隅に寄る

ブナの木が少し混じる幅の広い尾根歩道の雑木林

 磐梯号遭難地の深い沢の向こうに樹氷が美しい横津台地

桧山地方の山々は早くも雪に覆われていた.乙部岳のヒマラヤ襞(?)が遠望できた

2011年11月20日日曜日

磐石岳<三角点の改測>

落部の磐石岳に登った。雪の季節一度、故あって今秋二度登った。見たのは初めてだが、新しい標石(三角点)が埋設されていた。どのような要因でこのような事業が起こるなわれることになるのであろうか・・・知りたいものだ。同行のSakag氏の喚起があって、車中から、近隣の林道肩に新設の四等三角点も目に入った。地理院の基準点に関する動きが、最近あった磐石岳周辺と思われた。
◇ 磐石岳の三等三角点情報は以下のとおりであった
基準点コード   TR36340126801
冠字選点番号   温13
基準点名    釜別沢
ワンストップサービスの可否    ×
基準点成果情報 
   登録年月日  2011/10/31    状態 改測 
   成果区分    成果の公表を停止しているため、座標値等は閲覧できません。
   作業年月日    2007 12 20
   状態   成果異常 
    年月日    20110822
    地目    保安林
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写真:

2011年11月13日日曜日

三角山<鉛川>

鉛川沿いのCo280付近からN55E方向の三角山に向かった。・438m、・591mを経由して頂に至る、しっかり刈り払われた尾根道がついていた。<登山口の位置図北緯421020.3秒  東経140823
急斜面、瘠尾根、ミニ蟻の門渡りの地形は、歩道を維持修理する作業者の苦労は如何許りかと思いながらの登りになった。
このコースは、数日前にsakag氏が登った情報があるあから不安はない。さらに国有林の境界標石が明瞭だった。

2011年8月13日土曜日

北海道 安全な登山[目次]

第1章 北海道の山と気象

  a.山の四季・………………………………22
  b.日の出・日の入りと季節変化・・………23
  c.6つの季節・・・・・………………………26
      [コラム]山の一日 ……………………27

d.山の高さと植生   ……………………32
[コラム]カール氷河・ …………………33

e.山の天気 ・・・…………………………35
[コラム]観天望気と北の雲・・…………36

f.寒さと風,体感温度・・・・………………37
g.雨と雷・・・・・……………………………38
h.降る雪,積もる雪・・・・・…………………41
[コラム]雷から身を守る………………42

i.残雪と雪渓,雪田・・・・・…………………43
[コラム]大雪山の初雪,初冠雪・・・……44
[コラム]雪崩………………・・…………46

第Ⅱ章 ヒグマの生息する大地   -注意したい北の動植物-
.
a.ヒグマの生態と登山・・………………50
  [コラム]ヒグマに出合ったら・…………52

 b.キタキツネとエキノコックス症………53
 c.日本海側に多いマムシ……………54
 d.スズメバチ・…………………………55
 e.ヤブカとブユ…………………………56
 f.猛毒なエゾトリカブト・……………・・57
 9.ウルシと草かぶれ・・…………………58
 h.注意したいキノコ・・・・・・・・・・・・・・・・・58
  [コラム]アイヌ民族に学ぶ野生生物との共存・59
第Ⅲ章 登山環境     -歩道と水、トイレと山小屋-
.
 a.山へのアプローチと交通機関・・……64
b.登山者が少ない歩道・・・……………65
c.指導標が未整備な登山道・・・………66
  [コラム]「合目」標識とは・・……………67

d.難しい残雪のルートファインディング・‥‥68
   [コラム]残雪・雪渓とスノーブリッジ‥・69

 e.沢水は飲めない・・・・・・・・・・・・・・・・・70
 f.山小屋は無人の避難小屋………・・・・71
  [コラム]北海道の山小屋,避難小屋の利用のしかた…72
 

第Ⅳ章 北海道にふさわしい山の準備と装備・用具

a.服装・・・・………………………………76
[コラム]低体温症・・……………………78
b.登はん用具と個人装備・・・・…………79
[コラム]ザックの背負い方とパッキングの仕方…84

c.食事と食料-燃料計画・・……………85
d.シュラフとテント,キャンプ用具・・・・・・・……88
[コラム]飲料水の確保と携行量・・……89

e.クマスプレーとホイッスル・・・・‥‥‥91
f.虫よけ,消炎鎮痛剤と救急医薬品・・・・92
g.非常用パックとビバーク用品・・・……93
h.「山の装備」一覧・…………………・・・93
[コラム]北海道「ツアー登山」考・……・・93


第V章 山岳行動のための準備  -知識と学習、計画-

a.地形図の種類と測地系・・・・…………98
b.地形図の基礎・・・・……………………98
c.地形図を読む・・・……………………100
d.地形断面図を描く・…………………103
[コラム]GPSの使い方………………・104

e.天気図を描く………………………・106
f.特異な気象現象-天気図を読む-・・・・111
   [コラム]気象データの利用の仕方…112

 g.山行計画…・………………………114
   [コラム]高層天気図…………………115
   [コラム]山行計画書の作り方・…・…118

第Ⅵ章 北海道の山々とその特徴 -百名山と札幌近郊の山々-

 a.利尻山-日本海に浮かぶ孤高の山-120
b.羅臼岳-世界遺産「知床」の最高峰-123
  c.斜里岳-知床と阿寒を一望する独立峰
 d.阿寒岳一阿寒湖を挟んで向かい合う雄阿寒と雌阿寒…129
 e.大雪山一北海道の広い屋根-・・‥‥129
 f.十勝岳-今なお噴煙上げる活火山-134
 g.トムラウシ山-雲上の花,,岩の楽園- 138
h.幌尻岳-カール氷河に削られた日高山脈の主峰…141
 i.羊蹄山-美しい円錐火山-蝦夷富士-143
j.魅力ある札幌近郊の山々…………・147
[コラム]アイヌ語地名と原自然………・・150

第Ⅶ章 山の歩き方・休み方,不時の対応

 a.登山運動の特徴・・・…………………152
 b.登山の歩き方・・・……………………152
 c.休憩の取り方・・・……………………154
 d.沢登りと沢歩き・・……………………154
 e.雪の歩き方・・・………………………156
  [コラム]物理学からみた登山・………158

 f.当日の計画と行動・・・………………159
 g.行動食と水,水分補給・・・……………161
 h.パーティーでの動き ………………162
 i.道に迷ったら・・………………………164
 j.不時のビバーク…・…………………164
  [コラム]方位磁針の限界性・…………165

第Ⅷ章 北の山を楽しむ 

 a.残雪と雪渓を利用して…・…………168
 b.山菜で食事を豊かに ・……………168
 c.渓流釣りも楽しい・・…………………169
 d.シュラフ,テントとキャンプ ‥‥‥・189
  [コラム]美味な北のキノコ……………170

 e.かれんな高山植物…・・・……………172
 f.涼しく美しい湿原と池沼・・…………173
  [コラム]ナキウサギ ・・…・…………174
 g.豊富な山のいで湯…・・・……………175
 h.エキスパートの世界「北の冬山]……175
  [コラム]北の火山・……………………176

あとがき ・・・・・・・・・・…………………178
索引 ・・・・・・・・・・・・・…………………180
主な参考文献 ・・・・・…………………182

2011年8月12日金曜日

「北海道 安全な登山」刊行される

◆山に登るようになったのは何故(?)と問われる。相当長い間、森の中をまんべんなく歩いてきたと思っている。職を離れる記念に森林インストラクターという資格認定を受けた。森林自然のことなど感じてきたことを、自分の言葉で多くを話したいと考えたからでもあった。実際に青少年らと話をしてみると、彼らは森も山も高山も沢も同義語と意識しているようであった。森とは「森林、自然、山岳、渓谷・・・」を含むものであった。これにしたがえば、一般市民に森林自然のことを話すとき、山や谷<土地生産力低い>を知らなくては片手落ちである。退職後に登山へ関心を高めた理由はその辺にある。
◆登山屋はそれぞれに流儀があって、考えるに、私の中では登山屋個々の流儀が混線して入り込んでいるようだ。版元から「安全な登山」の山書を受贈した。中を見て驚いた。たくさんの経験から導きだされた科学的提案が満載されている。例えばSun Set Line(日没)が提案され、北海道の登山の特徴的楽しみはテン場に着いてからの夕刻の過ごし方だという。釣りや山菜採りや興味の趣くまま過ごせる時間なのだという。 混線し沈澱していた流儀が、同書により方向性を持てるのがうれしい。土地生産力低い山や谷へ、関心がさらに高められそうだ。
◆北海道新聞社の本 新刊案内から引用(文)……低い気温、長い積雪期、ヒグマの生息地―。本州以南とは根本的に異なる北海道の山の特徴を紹介し、安全に登るためのノウハウを凝縮。地形図の読み方や気象データの利用方法など基礎的知識に加え、道内の「百名山」9峰の地形図・断面図付き解説も収録。2009年夏のトムラウシ山での大量遭難死のような痛ましい事故を繰り返さないためにも、北海道における登山をまるごと知る格好の一冊日下哉著 A5判 183頁 定価1,890
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◆北海道 安全な登山 目次 <目次詳細>
第1章 北海道の山と気象
第Ⅱ章 ヒグマの生息する大地 -注意したい北の動植物-
第Ⅲ章 登山環境 -歩道と水、トイレと山小屋-
第Ⅳ章 北海道にふさわしい山の準備と装備・用具
第V章 山岳行動のための準備 -知識と学習、計画-
第Ⅵ章 北海道の山々とその特徴 -百名山と札幌近郊の山々-
第Ⅶ章 山の歩き方・休み方,不時の対応
第Ⅷ章 北の山を楽しむ
あとがき 索引 主な参考文献

[コラム]・山の一日 ・カール氷河 ・観天望気と北の雲 ・雷から身を守る ・大雪山の初雪,初冠雪 ・雪崩 ・ヒグマに出合ったら ・アイヌ民族に学ぶ野生生物との共存 ・「合目」標識とは ・残雪・雪渓とスノーブリッジ ・北海道の山小屋,避難小屋の利用のしかた ・低体温症 ・ザックの背負い方とパッキングの仕方 ・食事と食料-燃料計画 ・飲料水の確保と携行量 ・北海道「ツアー登山」考 ・GPSの使い方 ・気象データの利用の仕方 ・高層天気図 ・山行計画書の作り方 ・アイヌ語地名と原自然 ・物理学からみた登山 ・方位磁針の限界性 ・美味な北のキノコ ・ナキウサギ ・北の火山

2011年6月26日日曜日

烏帽子岳(ゼンテイカ晩霜害)

横津台地では遅霜の被害が目立っていた。草本も木本も・・・ミネヤナギは黒ずみコガネギクは淡褐色。気象庁の日ごとの値(函館6月26日)は下表のとおりであった。
気圧:1014hPa最低:9.3℃、北斗市は8.2℃最高:20.3℃
(⇒最低気温を記録した04時20分の天気・快晴、雲量・0、視程・20km)。横津台地の早朝の気温を気象観測所から推定すると3.8℃~2.9℃であった(気温逓減率0.55℃/100m)。
ゼンテイカの霜害の姿は初めて見た。ヘアーピンのように垂れ下がった花柄・蕾ははたして立ち上がるか?再訪する機会に確かめたい。

晩霜害でゼンテイカの花柄がヘアーピンのように下垂していた


同上の部分図:晩霜害で花茎が下垂する個体はかなりの量だった
はたして立ち直るか?

2011年6月25日土曜日

黒松内岳ブナ滝沢285右股

Sho・Hanと3人で黒松内岳ブナ滝沢285右股を登った。6月11日のブナ滝沢285右股の残雪は、350mから上が埋まっていたけれど、今日は残雪は全くなし。

入渓地点から連続的に表れる滝の岩相

Co350m付近から沢身は頁岩っぽくなる。しかし左右の谷壁は依然として
上図の岩相が頁岩の上を覆っているようだ

Co600mから上は安山岩質の溶岩が海水中で急冷した様子の
岩相(手掛かり足掛かりの良い岩だった)

2011年6月22日水曜日

赤岩(4段テラス・東チムニー岩)

先月に続いて、250km先の赤岩に日帰りで遊んだ。報道写真に写りのいい4段テラス、赤岩でも少ないというチムニーがある東チムニー岩をフィールドにした。この度も赤岩の著書のあるNumaza氏の教えをいただいた。

チムニー岩直下にいたエゾノソナレギク(別名イワギク・ピレオギク):海岸岩
角地に生きる植物だ。葉の切れ込み方や葉の厚みなどがいろいろと変化が
見られるという。この種は日本海側に点々と生きているようだけれど、なじみ
のコハマギクは太平洋側に大群落をつくって比較的多くみられる種類だ。


東チムニー岩Ⅰルート:チムニーの中に入り込むと抜け出
せなくなる、チムニーの外に出すぎると背中を使いにくく
なる。その兼ね合いとムーブメントが習熟のポイントだ。


東チムニー岩Ⅱルート:ルートⅠの背側:上部の岩窟に入ら
ないようにして右の壁にひょいと写るのがコツのようだ。


東チムニー岩岩頭:ミヤマウシノケグサ、黄色はエゾスカシユリ


真中の岩塔4段テラスを登攀した。左が猫岩


4段テラスを詰める

2011年6月19日日曜日

松倉沢(ミズノ沢~黒滝~アヤメヤチ)

松倉川のミズノ沢出合いから入渓した。455二股で左俣(通称黒滝)に入ってアヤメ谷地を目指した。左俣に入ると、安山岩質溶岩の岩相から一転明るい凝灰岩質の沢身になった。

凝灰岩の中に抱かれるように、円形のシルト~泥質の頁岩が顔を出して
いる



上図の拡大図

2011年6月11日土曜日

黒松内川重滝沢320左股(ヒメヤシャブシ)

黒松内岳740.0mへの沢登りルートはブナ滝沢285左俣・同右股・同重滝沢320右股・同左俣の4ルート紹介されている(北海道の沢登り・独断ガイドブック)。寿都郡黒松内村パンケクロマツナイ(通称ガロ川)ノ瀧ノ景<明治末(?)> がブナ沢の国道側にある沢の中にある。現地形図では「ガロー越沢」と記載されている。明治時代末の写真を見ると、地質図からも、このような滝が連続して出てくるのではないかと思われる。そんなわけで前記4ルートの沢遡行に、そんなにそん色ない沢登りができるのではないだろうか・・・期待されるガロー越沢だ。

*1 「ガロ川火山岩類」=輝石安山岩質水冷破砕岩(ハイアロクラスタイト)・枕状溶岩および火山円礫岩と発達した岩脈。・【日本の地質1.北海道地方】P88:日本の地質『北海道地方』編集委員会編:共立出版KK.1990年によると=「ガロ川火山岩類」は、久保ほか(1983)命名.模式地は黒松内町の賀老川.模式地と長万部町西方に分布.(長尾巧・佐々(1933a)に相当.主に安山岩質の溶岩・火山岩からなり、基底礫岩をともなう.安山岩溶岩のK-Ar年代で4.37~4.47Ma(久保ほか、1988).黒松内層を不整合に覆う.層厚500m以上.
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*2 模式地の黒松内町の賀老川には、写真「寿都郡黒松内村パンケクロマツナイ(通称ガロ川)ノ瀧ノ景(成立年 明治末(?))」…北方資料データベースより< http://www.lib.hokudai.ac.jp/cgi-bin/hoppodb/record.cgi?id=0B013680000000000 >のようにいい滝相があるようだ.この沢から黒松内岳への遡行も興味深い.*一昨年遡行した黒松内岳ブナの沢の左股:輝石安山岩質水冷破砕岩(ハイアロクラスタイト)が5mの滝となって現われていた.
* (註:パンケクロマツナイとは、現在の賀老川のこと.データベースアイヌ語地名(北海道出版企画センター)によると、パンケクルマツナイ(ルとツは小さい標記)は、松浦武四郎の図ではクロマトナイ(黒松内川)の一番下流側の支流ということでハンケクロマトナイという名前になっている.現在の滝の写真は、賀老川分岐から500m上流にある.(註はブナセンター 学芸員 斎藤均より)

* ハンケクロマトナイ
=寿都郡黒松内村パンケクロマツナイ(通称ガロ川)
=ガロー越沢
=と考えられるから、久保ほか命名の「ガロ川火山岩類」模式地の黒松内町の賀老川、に違いない。

2011年6月5日日曜日

袴腰岳(チシマザクラ)

昨秋写万部岳で会ったKas氏と、チシマザクラの開花時期に横津高原を歩くことになっていた。予定の期日に黒松内Kas、洞爺湖Wat、北斗Oot、函館An・Moの全5名が、チシマザクラロード経由で袴腰岳を目指した。例年よりかなり生物季節が遅れていたので、開花は期待外れであった。昨日の恵山火口原にヤマツツジの赤は認められず、作物の生育情報も数日遅れている報道もあって、5月から6月上旬の季節の遅れは道南の全般的傾向であった。
北斗のOot氏は横津高原のチシマザクラとミネザクラの個体を繰り返し調べていたという。一時その形態の違い、分け方、チシマザクラとミネザクラはどこが違う?・・・が話題になった。横津高原(溶岩台地)では ① 同所的に両種が生育している  ②花柄・葉柄の毛の・有(その多少)~無が連続的である。 このことから はたして如何にして母種ミネザクラ、変種チシマザクラを分けるのであろうか? 
・母種ミネザクラPrunus nipponica Matsumura
・変種チシマザクラPrunus nipponica Matsumura var. kurilensis (Miyabe) Wils.
両種の見方に示唆を得ることができる報告(下表参照)<”チシマザクラとミネザクラはどこが違う?:道立林試2007きたみどり”>がある。これによると<花柄や葉柄に毛のないものはミネザクラ、多いものはチシマザクラといえますが、このような結果からは両者の間に明確なラインを引くことは難しいといえます。>として、<緑化樹として扱う場合は一般に親しまれている「チシマザクラ」に統一しても構わないと考えています。>と結論づけている。

 
        
 
根室産チシマザクラ実生苗の毛の有無
 
 
個体数
葉柄
 
 
161
 
 花柄
19%2%0%0%22% 
 
9%15%5%0%29% 
 
11%4%9%3%27% 
 
5%2%4%11%22% 
 
44%24%19%14%100% 
 
原図<チシマザクラとミネザクラはどこが違う?:道立林試2007きたみどり>を改変
 
 
        

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袴腰岳山頂のミヤマハンノキ開花の様子
赤い穂状花序は♀、太くぶら下がる穂状花序は♂

同所のダケカンバ♂花穂

同株ダケカンバの♀穂状花序

ミネヤナギの♂花穂(♂株)


ダケカンバ林の解舒:背景に黒い樹幹のブナ

ダケカンバ樹冠下のチシマザクラ群:開花遅れて
背景に烏帽子岳直下の雪崩斜面の残雪(夏道を覆う)


5月15日の同所では、雪解け直後で、開花直前だった
開花受粉を終えて結実期の入る
白色に賑わう果穂は今年おおいに楽しめそうだ

日本庭園(Co980の定点撮影)

袴腰岳山頂の定点撮影