2015年3月29日日曜日

小沢峰(TR6図根点の点名)


*青細線は横るへのルート   *青太線はTR小澤峰往復ルート   
*赤線は国有林内林道・歩道   *赤▽は小澤峰
*青○中点は境界標石(低位標高は国有林、高位標高は道有林)   

*緑実践は空中写真で判定できた旧横津岳登山道の跡(旧登山道は、国有林標石個所を辿ってムサの沢に下りたと思われる)   *

最高気温15℃の暖気の日でした。SYOさんといくさ川上流のムサの沢牧場をスタートし、固雪は期待できません。目指す一座めは、図根点小澤峰771.7mです。昨春4月19日(日)にも苅間林道→楢山経由で登っているポコです。

昨春は、ポコの図根点標石がアクシバとともに残雪の中に露出していました。静かな山です。ブナの一斉林に囲まれて突出しているから、ブナ林に囲まれながらも展望を楽しめます。ブナ美人に成長すること間違いなしの幼齢林(80年生程度?)です。横津台地崖がしっかり見通せて、小粒ながらいい山でした。

基準点コードTR66240753901(基準点→その他基準点)旧道庁が設置し図根点144)
等級種別 図根点
基準点名 小沢峰
部号 北海道ⅩⅠ3
登録年月日 2014/04/01正常
北緯41°56′49″.0829
東経140°44′50″.5103
標高(m)771.69
作業年月日20140313
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・スタート付近から烏帽子山と横津台地のスカイラインをのぞむ。

近年大沼の周囲の斜面が大規模に牧草地に開墾されているという。ここはその一部であろうか。
・下は民有林でくそう管理道は国有林が管理している。写真右のマカバにピンクテープが巻かれている。これは境界標石の見出しの役目であろう。
・ダケカンバにシナノキ等が混じる。
・原生的ブナ林が皆伐採されるとダケカンバ林へ置き換わる立地条件は・・・

=標高600m以上のやや凹地形の緩やかな斜面で、やや湿り気味の土壌と考えられる。<皆伐のされ方が土壌撹乱を伴う場合はさらにきれいなダケカンバ一斉林へ移行しやすい傾向がある>
・楢山方向に白き峰
・行く末はこころ豊かな気高きブナ美人、静かなブナ林でした。樹齢は80年経過したか否か!
・頂はブナの幼齢林で、静かな林でした。その頂から東側に横津の台地崖が壁になって、直前に立ちはだかっていた。

壁のような雪の斜面を越えると、そこは横津岳の広々としたなじみの台地です。

・昨春の山お頂ピークでは、標石が露出して見えた。標石側面に「北海道144」の文字が彫られていた。

図根点として素晴らしい突出したピークで、七飯岳北方向~東方向が広く見渡せた。

2015年3月26日木曜日

函館山13座

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函館山の観光案内書に記されている山名は13山あります。地形図に掲載されている山名は1座のみで「函館山332.6m=TR3「函館」332.58m」。隣接して独立標高点・334の記載もあります。

積雪期に各座を巡っていますが、鞍掛山だけは未だで、機会あればと行ってみたいと思っていました。

今日は午後2時から函館山麓の蓬莱町に用事があったので、それまでの空いていた時間を、函館山峰巡りをしようと思い立ち出かけました。巡ったルートと時間および時刻は下記のとおりです。

十字街スタート(0:00)午前10時24分(夏道の有無)
1鞍掛山(0:31)(夏道無)
2地蔵山(0:59)
3千畳敷山(1:05)
4牛の背山(1:16)(夏道無)
5八幡山(1:23)(夏道無)
6水元山(1:29)(夏道無)
7躑躅山(1:40)(夏道無)
8入江山(1:50)
9汐見山(2:09)
10蝦夷館山(2:21)
十字街ゴール(2:45)午後1時9分
今日踏めなかった山は3座(夏道のある・御殿山・薬師山、夏道のない・観音山)。

最高気温13℃を越えました。五月初旬の暖かさだそうですが、まだ3月、ルート上で開花を見たのはキクザキイチゲとネコノメソウだけでした。積雪の上を歩いたのは、入江山から躑躅山駐車場へ向かう時の、陽射の少ない100mほどの自動車道だけでした。


1鞍掛山 左下にTR4「立待崎」112.53が見えます
1鞍掛山の要塞跡
オシダの間から伸びて咲いていたキクザキイチゲ
名の知られた日本の名岩場「南壁」への、七曲7番個所からの入り口。標石は防火用水表示石
2地蔵山 漁業無線塔
2地蔵山 自然地形のポコは無線施設用に整地されて失われているが、現在一番高い個所の林相
3千畳敷山
3千畳敷山に設置の函館市設置の3級基準点
4牛の背山 13座中最もピラミダルな形
5八幡山 藪の中でポコらしくない
6水元山 ゴヨウマツ カラマツ アカマツ トドマツの植栽木が、雑木林中の樹冠層を占めていた。
7躑躅山
8入江山
10蝦夷館山 カシワ ミズナラ シナノキ エゾイタヤ 亜高木層にサワシバ
10蝦夷館山直下の歩道にヤマネコノメソウChrysosplenium japonicum


2015年3月22日日曜日

毛無山(追悼登山会)

スタート:上河汲沢――経由:毛無山――檜沢の滝東の慰霊碑――ゴール:檜沢の滝駐車場

追悼登山会が今日22日開かれ、私も参加しました。齋藤氏が亡くなられて(2014.02.24没)、多くの方に初めて知らされたことがあります。

彼の踏んだ山座は、名のある山も、三角点設置されただけの頂も、独立標高点のあるピーク、さらに何も表示されていないポコも登山の対象にしていたように見えます。

道南の小さな山々、口の端に上ることもない不遇(?)の山々、それらの山々もたいせつにし、意識を高くそして孤高に対峙していた様子です。

「どんな山をやりたいのか」と自問する身にとっては、今になって「齋藤氏の山への情熱は如何に!」と聞きたいと思うのです。どのような出会いがあり どのような感動があり どのような事柄が心に芽生えたのか・・・と。

Sanag氏とKamak氏らを中心に、咋年から一年にわたる働き・掘り起こしの結果もありますが、齋藤氏は、道南の山登りをする人らに、あらたな山への「創りだし」をおこしてしてくれるであろうとの希望が胸をよぎりました。

山の深遠さ、森を行く楽しさ、仲間がいるうれしさ、仲間と語り育てられる嬉しさ等を・・・。そのようなことが心をよぎりながら、幅の広い尾根、原生林的なブナ林、ダケカンバ林、雪崩斜面・・・渡島らしい山々に身を置きながら、同行志と雪原を歩くことができました。嬉しい体験でした。

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◆ アメダス鶉 齋藤氏没2014年02月24日前後の気象<日ごとの値(抜粋)>を下に掲載しました。(冬山の事故は低温、風速、降雪、日照との関連が大きいものと思われる。)

最高 最低 瞬間最
大風速
降雪量 日照
時間
19 0.6 -14.7 8.4 5.0 8.3
20 -2.1 -12.9 8.9 10.0 1.0
21 -2.4 -12.5 8.6 8.0 2.5
22 0.9 -17.8 5.2 4.0 2.5
23 1.6 -13.5 7.9 5.0 5.0
24 2.1 -3.3 8.0 3.0 0.4

・ 3月4日に鶉で21cmの降雪、函館美原でも4日は21cm降雪ありました。現地では50cm相当の降雪を測定されました。これがその後の捜索活動を困難にしました。

・ 最低気温に注目したい。3月22日鶉-17.8℃、大野-14℃、函館-10℃でした。放射冷却、冬型気圧配置、毎日数cmの降雪、季節風の強さも侮れない事柄です。

・ 最後の地の大野の中山の気象は、標高、降雪、そして内陸部等の類似性から「厚沢部鶉」アメダス観測所のデータから推察するのが適当と思われます。

◆ 慰霊碑(△)の位置から見た樹木配置
  (△)→8m南に   ヤチダモ、ハルニレ、キハダ
  (△)→6m南西に カラマツ(5mの高さにピンクテープ結束)
  (△)→6m北西に キハダ
  (△)→7m北に   トドマツ

詳細は 毛無山(750.4m)追悼縦走登山会http://sakag.web.fc2.com/kenasi-tuioto.htm
     齋藤浩敏さん 慰霊プレート設置https://www.youtube.com/watch?v=ZNOV-f-HJo8
     斉藤浩敏さん終焉の地(4月10日)https://www.youtube.com/watch?v=jrwCsMIevmw
     設計山・斉藤浩敏さんの捜索4/5AB班と-6A班出発https://www.youtube.com/watch?v=TnjSYRQ1WBA
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2015年3月8日日曜日

Co760(中二股川右岸ピーク)

大野、中二股川奥のCo760mピークに行ってきました。今季の冬山は、事情あって全く山行していなままでした。冬山抜きのいきなりの春山になりました。そのこともあって、スキーはチョット大儀だったから、より確かなカンジキをかついで家を出ました。

メンバはSyoさんと二人です。Syoさんは三等△点の中二股川と三等△点の小滝の2つの頂を既に登っていました。私は点名「中二股川」の頂を同行Sakagさんと踏んでいます。今日のCo760m峰は、二人とも初めての山頂になります。

中二股川を囲む700m超のポコは3~4座ありますが、ポコCo760の登山の記録は、昨冬死去した斎藤浩敏さんの他にいないといわれます。

このポコは、無名峰でかつ標石の設置もなければ、地形図に独立標高点の表示もない。地理的位置からも、登山屋に注目されることなく、登っれる事が殆どないポコであろうと思われます。

朝は放射冷却で氷点下に下がったが、日中は晴れ渡り無風、天気情報では8℃になるという暖かい日でした。天気に恵まれた山行でした。

昨日降雪があったから、晴れて雪原は白銀、眩しいほどでした。積雪の柔らかさも、さほど難儀することもありません。

家を8時30分に出発し、帰宅は15時30分でした。天狗岳の登り口でもある大野ダムの入り口は、ダム管理のために何時も除雪してあって、駐車にはとても好都合です。

・629手前の岩角地のトラバースはチョットいやらしい斜面でしたが、他はビビるところもなく、森林地帯の尾根歩きで、春山をのんびり楽しめた一日でした。総行動時間5時間30分でした。

復路は・629直下の岩角地のトラバースを嫌って、回り道して△点「小滝」経由にしました。膨らみましたが、これがまた、設計山を正面にして、咋年の捜査活動の地を目で追うことができ、思いをさらに深めることができました。
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正面は中二股川下流にかかる大野ダムです。ダムサイトが見える駐車場からスタートしました。(Co270:9:30)
Co390で林道から離れました。左図は、この度の往路の尾根コースで、最後の植林地になる写真です。左は雑木林、右にトドマツ植林地の斜面が広がっていました。一定の幅で奥に伸びて歩道のように見えているのは、列状に間伐した跡です。(Co420:9:40)

ここから、暖かくて体温調整のために、上着を脱いで半そで一枚になった姿で歩きました。

最後の植林地を抜けると、ブナ林の急斜面です。・619まで続いていました。

上部は、かなりのやせ尾根で帰路が懸念される岩尾根でした。左は崖になって落ちこみ、右は積雪が階段状にズリ落ちて地表を覗かせるところもありました。(・500:10:20)
微妙な斜面のトラバースを強いられた岩尾根を越えて、・619手前の尾根に上がるところです。ダケカンバがブナ林に混じりはじめました。

今朝は氷点下の気温だったこともあって、深くヌカルところもなく定高の尾根に上がることができました。昨日の新雪は15cm程度でした。(・600:10:40)
ほぼ定高の尾根を・619、・652と経由して、左図はCo610から目的のピーク前の斜面を望む写真です。雪原に黒く帯状に見えるのがチシマザサです。への字形に2つ並ぶ斜面の直上の凸部の奥に、この度の目的のポコCo760が隠れています。

「ここから18分で頂を踏む」と宣言し、心を振るいたたせて目標のポコ狙いです。右奥のポコは、既登の△点中二股川です。(Co610:11:30)
正午、今日の目標の地のCo710ポコに立ちました。北方に、乙部岳です。正午の陽に照らされて、ヒマラヤ襞?となってよく見えました。(Co760:12:00)


ダケカンバ越しに二股岳が輝いています。右の開けた広がりは、弥五兵衛岳に続く木地挽山の牧場です。
乙部岳のヒマラヤ襞(?)を背景に登頂できた喜び・・・・。

木地挽山越しに、横津岳高原が見えます。左に覗く白い斜面は二股岳です。
あらためて二股岳。夏道があり春夏秋冬よく登られる山です。

中二股川源流域の植林地が見えます。黒っぽい色はトドマツ植林木です。トドマツ植林木がまばらで、疎林状態の領域の広がりが見えます。どのような理由か?・・・植林の目的未達成の不成績林です。
中央にチョコット無理した白い塊の駒ケ岳が見えます。手前は北斗市と森町の界での三九郎岳か?
厚沢部町小鶉川源流の「Co780ポコ」が見えます。蛾蛾として近寄りがたいポコですが、同行のSyo氏が頂を踏んでいます。一人行動だったようで、俺が同行していたら、あまりにも急峻で足が止まって、ポコ手前で行動中止にしたのではないだろうか。

他にここに立った人の情報は知らない山です。無名だけれど、孤高にして剣の面持ちもある山容でした。

右の奥に見える馬蹄形はサランベ岳で、左奥には鍋岳が見えます。
・615を越えて、アップダウンはこれ以降なしです。下りる足も駆けるようにどんどん早まるようです。

カラマツ植林が失敗して、ダケカンバの二次林になった林を抜けます。ところどころに、残ったカラマツは見えます。
ダケカンバ二次林の中にヤマザクラなどが混じって、その中をどんどん下ります。

地図を見ることもなく、下りの尾根をSyoさんはよく間違いねいねと、感服します。緩やかな斜面が広がり扇状に枝尾根がわかれている地形を下るのは分かりにくいのに・・・。土地勘か、前もって緻密に記憶しているのか、どっちかわからないが。

Syoさんの後を、走るごとくに懸命についていきます。

そして小滝の沢入り口(小滝の歴史的説明板のある国道)に降り立ちました。(Co300:14:30)