2012年6月15日金曜日

岩塔497m

2012年6月15日(金曜日) 0

今春に登った松倉川の頂き(点名:寅沢)に対峙する岩塔497mを目指した後、松倉川の羽衣の滝を遡行する予定だった。どんよりとした小寒い空模様で、下着は用心深く冬用にした。Sakag氏(HP)とSho氏と三人で、美原を5時に出発した。気にしていた空模様だが、案の定岩塔を覗いた両氏から「ガスっていて上の方が見えないから沢登りを先にやろう」と声がかかった。羽衣の滝遡行終点のアヤメ谷地の方へ向かったが、標高が高くなる分、層雲の中に入り粒の大きい霧になって、車窓ガラスに水条が走った。羽衣の滝遡行は、長い笹藪こぎがあることから、この天候から考えて「撤退」の声がかかった。
岩塔取り付きに戻った。林道沿いの標高200mから入る。チョロチョロと水流ある谷には、濡れた岸壁がはだかる様に見えた。今日はスパイク地下足袋で良かったか、如何かと気になったり、先の厳しさを思い緊張する。そこは練達のSho氏はわずかな可能性を見定めながら、右へ左へと行き止まりになることを避け岸壁の間を前進する。森林に覆われている斜面だが、これだけ急斜面だと、土壌表面は土・礫の移動が常にあって、林床植生が欠けてモザイク状に土壌が露出している個所も多い。森林に覆われていても土壌浸食が激しいと、手足の頼りになる立木にも事欠く。木本が無ければ、ヒメカンスゲの株をつかんで斜面を登り、両側がキレ落ちた岩尾根では四つん這いになったりして進んだ。頂まで気の抜ける個所はほとんど無かった。定高尾根に上がってからも、恐竜の背の上を渡る様に岩尾根が続いた。
振り返れば、岩塔・岸壁を縫いながらのルート探索は、手さぐりと言ってもいくらいで、技術や経験が問われる。祈りながらの登りであった。結果は、ほとんど後戻りすることはなかったが、Sakag氏・Sho氏のルート探索は流石である。頂からもガスって展望はなく、標高差は300mばかりの登りであったけれど、ルート探索と急斜面、痩せ尾根歩行は大いに満足できた。
Mt_5

↓ 林道から入った
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↓ 休むことなくルート探索
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↓ どこもここも急斜面
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↓ 恐竜の背のような幅1mの岩尾根:森林に覆われているからビビることもないが、左右に谷までキレ落ちている
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↓ 四つん這いになって進むことも多い
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↓ 岩尾根のヒメコマツ
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↓ 岩尾根と伝って
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↓ 頂(岩塔)の直下の岩場
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↓ 岩塔とはいえ森林に覆われていた。コメツツジの大株が占めていた。今春に三森山への往復時に林道から多くの岩塔や岸壁を見たが、その岩塔の一つと思われる。
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Sakag氏報告へ