2011年1月5日水曜日

笹流(ノネズミ)

2011.1.5(水)
陣川温泉から笹流川上流の蝦夷松山ルート沿いの雑木林へAとMで出掛けた。先行者のカンジキ痕を辿って、壺足でもかなり奥まで歩を進めることができた。雪上にエゾシカ、エゾユキウサギ、エゾリス、キテンそしてノネズミ(種不明)の足跡が目立った。エゾリスの仕業と思うが、斜面の雪に穴を開けて表土を露わにしている個所が幾つかあった。前足・後ろ足を頻繁に動かして何かの種子を採餌している様子がうかがえて、ふっと笑みこぼれてきた。この森の中の出来ごとも、新しい年を小さなおめでとうの中で迎えたことであろう。どんな年になることか・・・思案しながら採餌穴を見つづけていた。
エゾリスが開けた採餌穴<穴の周りにトドマツの果鱗あり>

「笹流の森林自然あっての動物たちの営みだ」と思いながら、しばし新雪の静かな森を楽しんだ。我々の先祖たちは「自然との関わりの中でみごとな生き方」をした。昔の人々は「自然を大切にして、自然に感謝して」生きただろうと言われもする。しかし、本当だろうか。思慮深く何かを我慢しながら生活していたのだろうか。実際の生活は生きるために懸命に自然を利用していたのではないだろうか。生活のしかたが、たまたま、自然を大切にして暮らしていたように見えるだけではないだろうか。昔の人々の生き方が、現代人には「自然の循環を生かして生活していた」と見えるだけではないだろうか。現代人が昔の人の生き方に感嘆するものは、自然との関わり方からの結果にすぎない。目的意識的ではない必然がそう見えるに過ぎない。今年も、「人々の生活と、持続的利用、自然保護、生物多様性、種の保存、環境問題」などに関してこんなことを考えていくことであろう。

ノネズミ(種不明)<塒から出た足痕>
ノネズミ<洞に入る直前の足痕>