2011年5月22日日曜日

丸山(渡島当別)

2011.05.22 昼になって濃霧が消えた。ブナの新緑を狙って渡島当別丸山に出かけた。茂辺地をぬけると、丸山の山肌の色模様が目に飛び込んできた。この時期は、遠目にもブナの新緑域と春紅葉域(ブナを除く落葉広葉樹…繰り返し伐採されてブナを欠いた林)が、明瞭に判別できる。エゾイタヤとベニイタヤの芽生えの色の違いや樹肌の違いを楽しみながら山道を頂上に向かう。カバノキ科シデ属の2種、サワシバとアカジデの花穂がぶらぶらと目前で競っている様子も、この季節ならではの風景である。アカシデが比較的密度高く自生していることも知ることができた。春紅葉の林と若緑色のブナ林と一線を画す場所に成育するスギ孤立木(植林)の存在は、丸山の森の来歴をひもとく上でとても興味深いものだった。頂上も近い尾根の若いブナ林で、しばしの静かな時をすごす。心の中を空っぽにしながら、この季節をからだいっぱいで体験できた森歩きでした。


新緑の季節のトラピスト:世界に冠たる季節...空・海・森の色彩


丸山上部の若いブナ林

一斉に天然更新したブナ林

シデ属サワシバのぶら下がる雄性尾状花序(緑の尾状)
目を凝らすと枝先に雌性尾状花序も見える

シデ属アカジデの雄性尾状花序(茶色の尾状・・・)